国際・外交

トランプ政権の「対日経済圧力」がこれからますます強くなる予感

「ドル安容認」政策で

想定外の円高、戸惑う市場

2月に入って以降、為替相場でドル安が進んでいる。その中でも、円に対するドルの下落が顕著だ。1月末、109円台だったドル/円は、16日に105円台半ばまで下落した。多くの投資家にとって、この動きは想定外だった。その後、1月のFOMC(連邦公開市場委員会)の議事要旨を受けてドルが主要通貨に対して反発したが、円高圧力は根強い。

米国経済は好調であり、インフレ期待の高まりから金利は上昇基調だ。米国の株価急落に端を発する世界的な株安も一服しつつある。本来なら、ドル安にブレーキがかかり、円は緩やかに減価してもおかしくない。

なぜ円高圧力が続いているかに関する議論は増えているが、説得力のある説明は難しいようだ。

2月に入ってからのドル安の進行に関して、市場参加者の間では様々な指摘がなされている。多くのアナリストが指摘するのが、非商業筋(投機筋)の投資行動の影響だ。シカゴマーカンタイル取引所(CME)のIMM(国際通貨市場)で取引される為替先物のポジションを見ると、年初以降、ドルに対するユーロの買い持ち(ロングポジション)が増えている。ECBによる金融政策の正常化観測がユーロ買いを促している。

 

一方、ドル/円の先物ポジションを見ると、ユーロの買いが膨らむ中で小幅にドル買い・円売りのポジションが減少している。昨年10月以降、多くの投機筋がドル買い・円売りのポジションを積み増し、年初の時点では過去最高に近い水準までドルのロングが溜まっていた。そのため、円キャリートレードの巻き戻しが進み、ドル売りの圧力が高まりやすい。

それに加えて軽視できないのが、米国の為替レートに関する考え方=為替政策の変化だ。双子の赤字(貿易赤字(あるいは経常赤字)と財政赤字)を抱える米国は、海外からの資金流入によって赤字をファイナンスしてきた。そのため、ロバート・ルービン以降の歴代の財務長官は基本的に、「強いドルは国益」という考えを重視してきた。

1月24日、米国のムニューシン財務長官が「ドル安を歓迎する」と発言したことは、この為替政策がドル安重視に変化しつつあることを示唆した。同長官の発言は、短期的なドルの推移を念頭に置いたものであり、特段、深い考えはないとの見方もある。いずれにせよ、米国の為替政策を司る財務長官の口から、明確にドル安を重視する考えが示されたことは軽視できない。

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