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サッカー 現代新書

風間監督が明かす「名古屋グランパス・わずか1年でJ1復帰の秘密」

Jリーグいよいよ開幕!

名古屋グランパスがリニューアルされて、J1の舞台に戻ってくる。

2018年のJリーグがいよいよ開幕する。就任2年目の風間八宏監督は「攻める」を謳い文句に、攻撃的なスタイルで挑む。昨季、J2で22チーム中最多の85得点をマーク。「やっているほうも観ているほうも面白いサッカー」を1年掛けて浸透させるとともに、J2に降格した3チームの中で唯一、観客総動員数を前年よりも上回ることに成功した。

J1昇格に伴い、昨季ブラジル1部で得点王&MVPを獲得した元ブラジル代表FWジョーやオーストラリア代表GKミッチェル・ランゲラックら大型補強を敢行している。 「攻める」姿勢はサッカーのみならず。監督も、クラブも。開幕直前、風間監督に“グランパスの変化”を尋ねた――。

1年掛けて終えた「基礎工事」

――今季のスローガンは『攻める~Go into Action~』。攻撃的なサッカーを進化させていこう、ということでしょうか。

風間 サッカーは失点をしないゲームではなく、あくまで得点を取るゲーム。“グランパスはそういうチームなんですよ”と示していきたいし、サポーターやファンの人と一緒につくっていきたい。

観客総動員数が上回ったというのも、やっぱりこのサッカーを観たいと思ってくれているからだと思うんです。だから昨年のはじめのころに比べたら練習場にもお客さんが増えてきて「たくさん点を取ってくださいね」と言われますから。

――昨年12月2日のJ1昇格プレーオフ決勝では、豊田スタジアムに約3万8000人の観衆が集まりました。

風間 あれだけのお客さんが集まってくれたことは凄く嬉しく思いました。一発勝負の怖さもあるなかで我々としては心強かったし、観ている人も含めてみんなで楽しめた。あのスタジアムの雰囲気を、みんなでつくれたというのは非常に大きな経験になったと思います。

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――「選手が自分と向き合い、殻を破るには頭の中を変える必要がある」というのが 風間監督の持論です。昨年はメンバーを固定せず、多くの選手を使い、それもいろいろなポジションに置きました。1年掛けて“基礎工事”を終えた印象があります。

風間 ほとんどの選手を使いましたし、組み合わせも変えました。『頭の中』を変えるには見えるもの、すなわち『目』を変えてやればいい。いろいろな場所で様々なことを見せることで選手たちも、どんな技術が必要なのかを自分で考えて向き合うようになっていきます。

全体がそうなることでチームは一段階上がることができる。そして適材適所というのも見えてきます。 システムは相手ではなく我々の選手の特性によって決めるもの、というのが私の考え。今年はより(チームとして)スムーズに動くべく、選手たちを配置していくことを考えています。

 

――昨季プロ4年目で初の2ケタ得点を記録した青木亮太選手など、若手が伸びています。

風間 若手も含めて、みんな、1年前の彼らではありません。1年前はプレーを1つ1つ止めて説明していましたが、今は言わなくて済みますし、何をすればいいかの判断もついてきた。そのなかで技術のスピード、判断する頭のスピードが上がっていく。

全体として一番、速いスピードを持っている選手に合わせていけば、チームとしてまた一つ上に行けるという考え方です。

――著書『伝わる技術』にもありますが、風間監督は選手に伝える言葉に対して、非常に気を遣います。抽象的な表現も噛み砕くように意識されていますよね。

風間 グランパスに来てから「トライしよう」とよく言っていますが、これも噛み砕いて伝えています。自分がやっているプレーの1個先をやってみること、それがトライ。2個も3個も先を言っているのではありません。

その意味で伝えているのが「変化しよう」です。同じことをやっていても、内容をちょっと変えてやれば変化になる。変化に取り組むことが、すなわち進化になる。私はそう捉えています。