熱戦が続く江陵カーリングセンター(著者撮影)
オリンピック

カーリング女子日本代表・運命の韓国戦で懸念される「ある問題」

韓国のスポーツ新聞を読んでみたら…

冬季史上最多のメダル獲得に沸く平昌五輪もいよいよ大詰め。カーリング競技も決勝トーナメントが始まった。ぎりぎりのところで決勝進出を決めたカーリング女子代表「そだねー」ジャパンが、強さプラスほっこりしたかわいらしさで人気を集めている。

一方、隣りの韓国では、開催国枠での出場ながら予選リーグを首位通過したカーリング女子代表に対する応援がヒートアップしている。連日、朝から晩まで会場に詰めていた竹田記者も、これまで経験したカーリング競技会場とは違う雰囲気に戸惑ったようだ。

 

「大韓民国!」大合唱と相手ミスへの大喝采

ラウンドロビン(総当たりの予選リーグ)も最終戦を終え、男子はスウェーデン、カナダ、アメリカなどがクオリファイ(決勝トーナメント進出)を果たした。女子は韓国、スウェーデン、イギリス、そして日本がクオリファイを決めた。

注目すべきは8勝1敗で首位通過した韓国女子代表だ。ランキングは8位ながら、負けたのは日本戦だけ。フロントエンドからしっかりセットアップができていて、リスクを負わない戦い方ができている。ホームの大歓声を受けながら……と書きたいところだが、これについてはちょっといただけない部分がある。

そもそも、韓国でカーリングはまったくポピュラーではない。なじみがないという意味では日本以上なのだ。

長野大会でカーリングが正式競技として採用されて以降、五輪出場は前回ソチ大会の一度だけ。アジアでも中国、日本に次いで3番手というポジションだった。お世辞にもカーリング先進国とは言えない国だ。

当然、観客のほとんどがカーリング初観戦なので、おそらく応援の仕方がわからないのだろう。

男子チームの熱心なファン。男子は日本男子と同じく4勝5敗の成績で終えた(著者撮影)

「円の中心に置けば強い」「相手の石を弾き出す」という基本中の基本こそ理解しているようだが、それだけだ。ハウス前に障害物を置くガードストーンや、自分の石を押して動かすレイズなどの戦術理解が必要なショットになると、一時、ざわつくが「よくわからねえや。でもいいか。叫ぼう」とばかりに、いつもの「テーハミング(大韓民国)!」の大合唱である。

カーリングはまず相手への敬意ありきのスポーツといわれる。この競技においてはルールよりも大切にされる根本姿勢なのだが、韓国の観客はどこ吹く風。相手チームのミスに大喝采する始末だ。他国のカーラーは口には出さないが、さぞげんなりしていることだろう。韓国代表選手も苦笑いを浮かべるほかない。

そんな選手たちの気持ちなどおかまいなしに、韓国女子代表チームが優勝候補のカナダを破るなどしてラウンドロビンで台風の目になると、嵩にかかって熱狂は高まってゆく。

スウェーデンを破った2月19日付の「文化日報」の夕刊では「韓国女子カーリングチームは、平昌の電撃スター。世界を驚かせたガーリックガールズ」と報じ、囲み記事では「韓国バナナ、日本イチゴ 。おやつ時間はまた違った作戦タイム」と日韓戦のおやつタイムを紹介。NHKがツイッターでおやつタイムを紹介したことに言及していた。

翌2月20日付のスポーツ紙「スポーツソウル」は1面だ。スウェーデンを破って首位タイとなった代表チームの写真に「タンダンハゲ チームKim カンダ」の見出しをつけた。「タンダンハゲ」とは韓国語で「堂々と、胸を張って」で、「カンダ」は「Go、行く」なので、「チームキム進撃中」とでも訳していいだろう。

韓国チームは全員がKim(金)さんということもあり、漢字表記から「金」メダルを連想させている。内容は「無敗のスウェーデンに勝利し、金メダル候補に浮上」などポジティブなもので、クオリファイ(決勝トーナメント進出)の条件にも触れていた。

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