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オリンピック

「さっとん」こと宮原知子がじわじわ人気上昇中なワケ

彼女こそが、ポスト浅田真央か?

小さな女神のような演技

平昌五輪、フィギュアスケート女子ショートプログラム。

日本のエース、宮原知子の見せた『SAYURI』は、フィギュアスケートの表現の地平を切り開くような演技だった。

 

身長152センチの小さな身体は、大きなリンクで競うスポーツにおいて、決して有利ではない。国際試合、海外勢の中に入ると特に小さく見えてしまって残念……そう思うこともかつてはあった。しかし2014年世界選手権の銀メダル獲得、大きな負傷の経験、そこからの復活、堂々第一代表としてオリンピックに登場……そんな道のりを経て、宮原知子はほんとうに大きくなった。

「五輪という舞台であっても、出場する選手は普通の試合と変わりません。自分がどこまでいけるか大きな挑戦ができる、いい場所。初めての舞台、すごく楽しみなので、楽しむことが一番重要だと思っています。オリンピックで、自分らしい演技をしたいです」(五輪代表決定後のインタビューより)

個人戦本番のリンクに出てきたときから、もう凛とした存在感を放ち、小さな女神のようにも見えた。演技が始まってからは、大舞台に臆することなく落ち着いていて、スピードもかなり出ている。緊張で身体が硬くなり、思うように動かない……そんな初出場選手にありがちな様子は皆無だ。

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女子のショートプログラムでも、多くの選手がオリンピック独特の雰囲気にのまれ、表情をこわばらせていた。プログラムを「演技」まで持って行けず、素を出したまま滑る選手も多い中、さすが宮原はきりりといい表情で『SAYURI』の世界に入り込んでいく。

ステップは身体のすべてを遣って音楽を捕えようとするように、涼やかに、軽やかに。難しいステップを難しそうに踏むような不自然な動きもまったくなく、選手の滑りを見ているだけで心地よさを感じる――そんなフィギュアスケートだけの魅力もしっかりと見せてくれた。