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明治・青学・立教・中央・法政は少子化の時代に生き残れるの…?

一番ワリを食う大学かもしれない
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ブランドを維持できるか

こうした好イメージと「ほどほど感」が、受験生たちがMARCHを選ぶ「動機」であり、最近の学生の安定志向も加わって、ますます人気を高めてきたというわけだ。

だが、実際は冒頭にあるように、その人気が学生の「玉石混交化」に拍車をかけ、MARCHブランドの地盤沈下を進行させている。

近年、企業は面接だけでは能力を見抜けないという判断から、長期間にわたるインターンやリクルーター制度で学生の人柄をじっくりと評価し、採用に反映させる動きを拡大させている。

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そして、こうした採用の担当者がMARCH各校に向ける眼差しは冷ややかだ。

リクルーター制度を採用している大手鉄鋼メーカーの採用担当者が言う。

「ターゲット校を決めて学生との接点を作ろうとすると、どうしても手間がかかります。その結果、確率的に効率がいい大学に絞ることになり、どうしても早慶までがボーダーラインになってしまう。実際、早慶だけでも約7万人はいるわけですから。

正直に言って、ウチではもはやMARCHは『その他の大学』と同じくくりで考えていて、特別視していません」

「東大・早慶の次に欲しい」大学から、「その他大勢」へ。この評価の低下は、学生がMARCHに進む意味が失われることを意味する。

 

今後、MARCHが学生の質を担保するにはどうしたら良いか。普通に考えれば、入学者の定員を削減すれば良いはずだが、ことはそう簡単ではない。

大学事情に詳しい高等教育総合研究所の亀井信明代表取締役が言う。

「早慶はいわゆる『研究者養成型大学』を目指していて、学生の質を高めるために入学者数の数を絞ることもいといません。

ところが、MARCHの場合は理工系の学部を見てみても大学院に進学するのはせいぜい50%程度で、早慶の70%以上には遠く及ばない。

『量より質』の研究者養成型にシフトすることが難しい以上、大学の運営を大きく左右する入学者数の大幅な削減に安易に踏み出すことはできない」

実際、文部科学省から各大学の研究者に交付される'17年度の科学研究費補助金の総額を見てみると、慶應の約35億円、早稲田の約25億円に比べて、MARCHで一番多い明治でも約7億円と、はるかに少ない。

「今後、いっそう少子化が進めば、従来なら日東駒専レベルの学生がMARCHに入学できるようになる。そうなると、大学側も学生にあわせて教育スタンスを変えなければいけません。

そうなると社会からのMARCHブランドへの評価は崩れてしまう。どう差別化を図るのか、各大学は悩ましい選択を迫られます」(前出の亀井氏)

MARCH出身者にはショックだが、就職を目指すにしても、研究をするにしても、もう進学する意味はない――。そんな時代が目前に迫っている。

「週刊現代」2018年3月3日号より