悲劇の現場となったフロリダのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校にて Photo by Getty Images
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トランプがフロリダ銃乱射事件を精神疾患の問題にすり替える理由

オバマ時代の規制法案を廃止したばかり

2月14日にフロリダ州パークランドの高校で起きた銃乱射事件は、改めて「アメリカは銃のある国」であることを私たちに知らしめた。アメリカ国中で反対運動が起きているにも関わらず、オバマ時代よりも緩くなった銃規制。ニューヨーク在住のジャーナリスト・佐久間裕美子さんが、現状をリポートする。

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19歳の容疑者が簡単に銃を購入

学校で銃撃(School Shooting)銃乱射(Mass Shooting)——スマホに届くニュースアラートにこの言葉を見るたびに、胸を締め付けられるような気持ちになる。年端もいかない子供たち、学生たちが、銃に倒れ、その家族や友達が置かれる状況を想像して辛い気持ちになるということもあるが、何も変わらないだろうという諦めている自分がそこにいるからでもある。2017年10月にラスベガスのコンサート会場で起き、死者58人を出した事件の記憶もまだ生々しい。

フロリダ州パークランドの高校でバレンタインデーに起きた銃乱射事件は、現時点で生徒・教員あわせて17人の犠牲者を出した。2012年にコネティカット州で起きたサンディ・フック小学校事件の26人に次いで、学校で起きた銃乱射事件では、史上2番目に最多の被害者数を記録した。

ラスベガスでも14日のフロリダ銃乱射事件を受け、15日に居住者たちの追悼パレードが行われた Photo by Getty Images

フロリダ州では、ライフルは18歳から、ハンドガンは21歳から合法に購入できる。バックグラウンドチェックが義務付けられてはいるが、精神疾患を理由に購入を拒否されるのは、法廷で精神疾患の認定を受けている場合のみ。19歳の容疑者のニコラス・クルーズが、精神疾患を患っていることを示唆する事象がいくつもあり、また「自分はプロのスクール・シューターになる」というネットの書き込みを根拠にした通報が事件前にあったにもかかわらず、クルーズは合法でライフルAR15を入手し、UBERの車に乗って高校に乗り付け、次々と人を撃った

 

トランプが銃規制の法案を廃案に

トランプ大統領は、事件を受けて「フロリダの乱射犯が精神障害を抱えている兆候は多数あり、不品行と奇行で退学にすらなっていた。近隣住民やクラスメイトは彼が大きな問題だと知っていた。こういう事件は当局に届けなければならない!何度でも!」とツイートした。市民たちから銃規制を求める声が上がるなか、共和党議員たちは被害者や遺族に対してスタンダードな悔みの言葉「Thoughts and Prayers」を繰り返した

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