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確定申告の時期だから知っておきたい「仮想通貨と税金の話」

税務署長時代を思い出しながら…

税務署長時代の「抗議」の思い出

連日、平昌五輪で日本勢が大活躍している。男子フィギュアの羽生選手、女子スピードスケート500メートルの小平選手の金メダルは快挙である。

ところで、五輪のせいで目立たなくなっているが、確定申告の時期である(2018年の確定申告期間は2月16日から3月15日まで。オリ・パラの時期とかなり重なっている)。

毎年、この時期になると、かつて税務署長をやっていたときのことを思い出す。筆者は、大蔵省キャリアとして1980年に入省し、高松国税局観音寺税務署で税務署長を1985年7月から86年7月までやっている。

いまから30年以上昔のことであるが、東京以外で生活するのは初めてで、田んぼの中に税務署があり、稲を見ながら勤務する状況を珍しく思ったものだ。典型的な農業地帯であり、田んぼも畑も目の前でみたのは初めてだったのでえらく感動し、署員から驚かれた記憶がある。

 

そんなことを思い出していると、佐川宣寿国税庁長官が森友学園問題で連日国会で追及され、国税庁へも抗議行動がでているという報道があった。例えば、「佐川氏へ「納税者一揆」デモ 確定申告開始、国税庁包囲」(https://www.asahi.com/articles/ASL2J3S09L2JUTIL011.html)がそれだ。

森友学園については、本コラムでは1年前くらいから「近畿財務局の事務チョンボが原因」と指摘してきた。ゴミが地中にあるにもかかわらず、それを籠池氏に売りつけ、後でクレームを付けられた案件、ととらえるのが自然で、当初から、入札などの適切な売却方法で進めていれば問題なかったが、それを怠ったため問題になったという事務チョンボが真相だ。

だから、メディアや野党が早くこの点を指摘しておけば(佐川氏の国会答弁の不十分さは誰が見ても明らかだったので)、佐川氏のクビくらいとれただろう。それを、的外れの指摘ばかりしていたので、絶好のチャンスを野党は逃したわけだ。

こうした経緯から考えて、筆者は佐川氏が「適材適所の人事」で国税庁長官になったとは思っていない。1月の「朝まで生テレビ」出演時、この話題が出たときにも、筆者は「適材適所」とはいわなかった。

あえて言わなかったのは、彼を国税庁長官に据えれば、確定申告時期に、納税者による抗議行動が起こることが容易に予想できたからだ。

もっとも、こうした抗議行動は、毎年の行事のようなものであり、佐川長官はそれに拍車をかけただけで、なくなるものではないことを指摘しておこう。

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これは、筆者が税務署長時代にもあったことだ。確定申告時期の終盤になると、ある民間団体が大挙して税務署に押し寄せるのだ。それを先導するのは、大体は「民商」であった。

筆者は、「民商」が税務署に来ると、署長面会の要求をしたりして現場が混乱するので、職員から「署長は税務署に来ないでくれ」といわれたことがある。もちろん、不測の事態に備えて、税務署の所轄域内にいて待機していたが、庁舎を外していたこともある。

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