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日本で急速に進む「宗教の観光利用」の危うさに気づいていますか

「政教連携」なんていうけれど…
岡本 亮輔 プロフィール

しかし、パワースポットと呼ばれている場所の詳細を見ると極めて宗教的である。

聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで』において、筆者はパワースポットを3つに分類した。

(1)再提示型:従来からの有名寺社がパワースポットとして、あらためて紹介されるタイプ。
(2)強化型:恋愛成就・仕事運アップといった現代に適合的なご利益や効能を強調することで訪問者を増やしたタイプ。
(3)発見型:従来は宗教施設ではないが、龍脈やゼロ磁場であるため気が集まるといった説明によって、特定の自然地形などが宗教的な場として訪問者を集めるようになるタイプ。

筆者が見る限り、ほとんどのパワースポットは(1)再提示型だ。伊勢神宮、出雲大社、高野山、比叡山、斎場御嶽といった従来から有名な神社仏閣や聖地が、パワースポットというラベルを貼られて、あらためて紹介されるのである。

とはいえ、言い換えによる宗教的脱臭によって、公的な場面で宗教的メッセージを発信することが可能になる。

 

「パワースポットポスト」「パワスポ入口」…

地方自治体や観光協会によるパワースポットの用例については拙著をご覧頂くとして、ここでは最近見かけた3つの例を紹介したい。

日本三景として知られる天の橋立には、「パワースポットポスト」という謎の郵便ポストがある。

説明板によると、周辺の元伊勢籠神社のイザナギ・イザナミ、成相寺の聖観世音菩薩のパワーが重なり合うので、大切な人に手紙を出すと良いそうだ。日本語だけでなく、中国語・韓国語・英語の説明もある。

沖縄県の古宇利島のビーチには、下部が波で削れてハート型になった岩がある。ハートロックと呼ばれているが、駐車場には次のような看板がある。

ハートロック
古宇利島の看板

ハート、アダムとイブ、嵐のCM撮影現場とただでさえ色々な要素が重なっているが、畳みかけるように「パワスポ入口」という表記がある。なぜ、つけたのか。

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