羽生結弦の決戦がはじまる〔PHOTO〕gettyimages
メディア・マスコミ オリンピック

絶対王者・羽生結弦をめぐる「大メディアフィーバー」に潜むもの

どんな結果でも「英雄伝説」は作られる
3ヵ月の「不在」から、羽生結弦が帰ってきた。「挫折」を経たことで、彼の「物語」はとてつもなく大きなものになるかもしれない。歴史的決戦を前に、ジャーナリスト・森田浩之氏が大フィーバーを考察する。

羽生結弦フィーバーが起きている

羽生結弦をめぐって、日本のメディアが大フィーバーを繰り広げている。

羽生が昨年11月に負傷して以来、3ヵ月ぶりに姿を見せてからというもの、メディアの報じ方がすさまじい。

2月11日に調整先のトロントから韓国入りしたとき、NHK『ニュース7』は番組のほとんど冒頭の項目で「羽生選手、韓国到着」を伝えた。

空港での報道陣とのやり取りも、1分半ほどのものだったが、すべて放送したようだ。新聞各紙は翌日の朝刊で、羽生の韓国入りを一面で報じた。

 

翌12日、羽生が現地での初練習を行うと、NHK『ニュース7』はなんとその模様を生中継した。

時間は午後7時5分ごろ。もともとカメラが取材に入っていたとはいえ、番組の時間にあまりにぴったりで、NHKと羽生側で打ち合わせができていたのではと勘ぐりたくなるほどだった。

この日の『ニュース7』では、「羽生、初練習」の第1報を伝えた後、他のいくつかのニュースを報じ、その後再び羽生の練習の模様に戻った。

練習といっても、この日はほんの足慣らし程度のもの。アナウンサーも映像にかぶせる言葉に困ったのか、「(羽生が)上着を脱ぎました」と2度言っていた。羽生が平昌のリンクで上着を脱いで滑ったことが、7時のニュースの大きな項目になってしまった。

羽生の「物語」は壮大なものになる〔PHOTO〕gettyimages

13日午前、羽生は本番の舞台となるリンクで練習した後、記者会見に応じた。しかも、このスケジュールは前日からテレビや新聞で喧伝されていた。

記者会見の一問一答もメディアのサイトにノーカットでアップされており、誰でも羽生自身の言葉に接することができる。

こんなアスリートが今までいただろうか。

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