2018年2月13日、初の公開練習後に会見に臨んだ羽生結弦 Photo by Getty Images
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『ユーリ!!! on ICE』を観れば五輪フィギュアは百倍面白くなる

『羽生結弦は助走をしない』著者激賞!
平昌五輪が熱く続いている。注目が集まるフィギュアスケートは16日17日が男子シングルのSPとFP。アイスダンスに続き、20日21日には女子シングルSPとFPが行われる。9日に宇野昌磨が団体戦で見せた見事な演技や、練習再開した羽生結弦の4回転ジャンプを見ると、日本勢の活躍を期待せざるを得ない。このワクワクドキドキ、始まるまで待ちきれない! そこで『羽生結弦は助走をしない』という著書にてマニアックかつ分かりやすく熱いフィギュア解説を披露している高山真さんが、「これを見るとフィギュアが100倍楽しくなる」人気のフィギュアアニメ『ユーリ!!! on ICE』について語ってくれた。
2月9日、宇野昌磨の団体戦の演技の「修正能力」に高山さんは大絶賛 Photo by Getty Images

技術の視点、LGBTの視点

1月に『羽生結弦は助走をしない』という本を出版した、高山真と申します。本を発売してからメールや読者ハガキなどでご意見・ご感想をいただくようになりましたが、その中の数通に、とても意外で、かつ印象的なご感想がありました。

その方たちの共通点は、「アニメ『ユーリ!!! on ICE』の大ファンで、それをきっかけに実際のフィギュアスケートにもハマるようになった」という点です。

そういった方々が、

「ユーリがオンエアされていた時期にリアルタイムで読めていたら、と思ってしまうほど面白かった。私の副読本にしたい」

「まだまだ知らないことだらけですが、何かものすごく大切なことが書いてあるような気がします」

「同じくYOI(これは『ユーリ!!! on ICE』の頭文字ですよね?/カッコ内 筆者注釈)が大好きな友人にもすすめます」

といったご感想をお寄せくださったのです。

 

中には、

「こういう層からの意見はご迷惑かもしれませんが」

という一言を書き添えてくださった方も……。

そんな! 迷惑どころか、どのご感想も本当に嬉しくありがたいものでした。だって、私も『ユーリ!!! on ICE』を見ていましたし、本当に素晴らしい作品だと思っていたのですから。

先に申しておきますと、フィギュアスケートは1980年からディープにハマっておりますが、「本格的なレッスンを受けたことがなく、遊ぶ程度のことしかできない」人間です(まあまあ真剣にやっていたスポーツはテニス)。つまり「とにかく見ることが大好き。見たものを自分なりに味わい、とことん愛でて、分析するのが大好き」というタイプのスケートファンです。

漫画やアニメファンの中に、「いろんな作品にはディープにハマってきたけど、実際に漫画作品を描いていたり、アニメの仕事をしているわけではない」という方たちがいらっしゃるとしたら、そういう方たちと同じ層といえると思います。

アニメ人気ゆえ、アニメ版の『ユーリ!!! on ICE』設定資料集』も発売されている
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今回出した本は、そんな立場の人間の「私のツボ」を、自分なりに可能な限り詳細に書いたもの。そんな本が、アニメファンのみなさんにも評価していただけるなんて! しかも自分がとても楽しみに見ていたアニメのファンの方々に! 本当に小躍りするくらい嬉しい経験だったのです。

もうひとつ、自分のことを申しますと、私はスケートファンであり、LGBTのG、ゲイです『ユーリ!!! on ICE』は、スケートファンの私、そしてゲイの私、どちらの立場で見ても、本当に素敵な作品でした。その両方の立場からの「私のツボ」を、今回書かせていただこうと思います。私にあてて「つながる気持ち」を先にくださった「YOIファン」のみなさんに、何か少しでもいいから「つながる気持ち」をお返しできますように。

スケートシーンのリアリティ

『ユーリ!!! on ICE』というアニメが始まるというニュースに最初にふれたとき、「スケートファンの立場として、これは見ないと!」と思ったいちばんの「ツボ」は、「スケートのシーンの振り付け監修は宮本賢二氏がおこなう」という点でした。

宮本賢二氏は、スケートファンなら知らない人はいない、日本を代表するフィギュアスケートの振付師。その宮本氏が監修をするなら、実際のフィギュアスケートのシーンも素敵なものになるはず、と予想したのです。

そして第1話のオンエア日、まず驚いたのはオープニングでした。ジャンプをしているのは1回だけ。あとはアニメのキャラクターが、ずっと美しいステップを踏み続けているのです。

この作品は、『スケートとは、滑りそのものの難しさや美しさを見せる競技』だと心から理解している人たちが作っている!

と、狂喜乱舞したものです。加えて言うなら、そのステップは、「現実にはありえない体や足の動きではなく、ものすごくリアルな動き」になっていました。ものすごくきれいな滑りをするスケーターを動画撮影し、その動きに忠実にアニメーションを作っていく……、そんな非常に手が込んだことをしていることが見て取れたのです。スケートファンとして、こんなに嬉しいことはありません。

新生・ブルーバックス誕生!