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同盟より同胞を優先?金正恩妹の「微笑外交」を喜ぶ文大統領の悲劇

金与正と文在寅「蜜月の3日間」舞台裏
近藤 大介 プロフィール
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金与正一行はこの日再び、ソウルから江陵へ向かい、午後6時23分から7時50分まで、趙明均統一部長官主催の晩餐会が、江陵スカイベイ・キョンポホテルで開かれた。その後、夜9時10分から、南北単一チームの初戦スイス戦を、文在寅大統領夫妻と共に応援したのだった。

ちなみに結果は、0-8と惨敗に終わった。

〔PHOTO〕gettyimages

訪問最終日の11日は、正午から2時過ぎまで、宿泊先のソウル・ウォーカーヒルホテルで、李洛淵首相主催の午餐会が開かれた。この場には韓国側から、丁世鉉、林東源、朴在圭といった金大中、盧武鉉時代に南北間を行き来した懐かしのOBたちを含む12人が参席した。

 

そして夜7時から8時40分まで、ソウルの国立劇場で、三池淵管弦楽団の公演を、文在寅大統領夫妻と共に観覧した。この時は、文在寅大統領と金与正副部長が並んで座り、まるで父娘のように親しげに会話を交わしていた。

一行は、公演終了後、仁川国際空港から深夜、専用機で平壌に戻った。

〔PHOTO〕gettyimages

米韓合同軍事演習はどうなる

こうして平昌オリンピック開幕時の「金メダリスト」金与正副部長と「銀メダリスト」文在寅大統領の「蜜月の3日間」は幕を閉じた。

韓国では早くも、文在寅大統領が訪朝するのは、2000年に南北共同宣言を発表した6月15日か、それとも日本の植民地から朝鮮半島が解放された8月15日かといった議論が始まっている。

今後、当面のポイントは、パラリンピック終了後まで延期した米韓合同軍事演習が、どうなるかである。安倍首相は9日に行った日韓首脳会談で、パラリンピック終了後速やかに行うよう求めたが、文大統領から「内政干渉だ」と反論されてしまった。

選択肢としては、①予定通り行う②規模を減らして行う③期間を減らして行う④再び延期する⑤今年は行わない、という5択だろう。過去には、1992年に行わなかった前例はある。

冷静に分析すれば、北朝鮮の突然の「微笑外交」の背景には、経済制裁でせっぱ詰まったお国事情がある。もはやオリンピックを利用して韓国にすがるしか、生存の道がないのだ。同時に、できるだけ核ミサイル開発の時間稼ぎをしたいという思惑もあるだろう。

そうしたことを勘案すれば、米トランプ政権は、予定通り米韓合同軍事演習を大々的に挙行して、北朝鮮に畳みかけたいところだろう。

だが、文在寅政権はどうだろうか? この3日間を見ていると、「同盟よりも同胞」を選択するように思えてならない。

本文でも述べたように、いま熱戦が続いている平昌オリンピックが終わると、再び朝鮮半島を巡る大国の角逐が始まります。どうぞご高覧ください!


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