オリンピック 国際・外交 アメリカ 韓国 北朝鮮

同盟より同胞を優先?金正恩妹の「微笑外交」を喜ぶ文大統領の悲劇

金与正と文在寅「蜜月の3日間」舞台裏
近藤 大介 プロフィール
このエントリーをはてなブックマークに追加

ペンス副大統領は、訪韓中ずっと横に、同年齢の男性を侍らせていた。誰かと思いきや、オットー・ワームビア氏の父親だった。

2015年末に北朝鮮を旅行したアメリカの大学生ワームビア氏は、北朝鮮当局に拘束され、拷問を受けた後、2017年6月に昏睡状態のまま帰国し、直後に死亡した。

今回、ペンス副大統領は、「北朝鮮の蛮行を許さない」というメッセージを伝えるため、わざわざアメリカから父親を同行させたのである。ペンス副大統領はまた、韓国で4人の脱北者と面会し、北朝鮮の独裁体制の惨状について共感した。

〔PHOTO〕gettyimages

そのペンス副大統領と文在寅大統領は、開会式前日の8日に会談している。「青瓦台」の発表によれば、以下の通りだ。

 

「両首脳は、韓米同盟強化方案などを含む相互の関心事項について協議した。文大統領は、『韓米同盟はこれまでのどの時よりも強力で、今回のペンス副大統領の訪韓は、昨年11月のトランプ大統領の訪韓に続き、再び堅固な韓米同盟と両国民間の連帯を内外にアピールする契機となった』と述べた。

文大統領はまた、『韓米両国の確固とした緊密な協調を通して、北朝鮮を南北対話と平昌冬季オリンピックの参加へと導くことができた』と評価。『この機会を最大限活用し、いま進んでいる南北対話が北朝鮮の核問題解決と韓半島の平和定着につながることを願っている』との期待を表明した。そして『そのために多角的な対話努力が必要だ』と述べた。

両首脳は、再三にわたる最大限の制裁と圧迫を通して、北朝鮮の非核化のための対話に導いていくという原則を再確認し、必要な協力を継続していくこととした。

ペンス副大統領は、文大統領に対する格別の安保と同盟の面から、平昌冬季オリンピックの安全で成功した開催を全面的に支持するというトランプ大統領のメッセージを伝えた。またその一方で、韓国に対し、鉄壁の防衛公約を再確認し、韓米同盟がどの時代よりも強力だという文大統領の評価に共感を述べた。

また、韓半島の非核化のための両国間の意思疎通と協調が、どの時代よりも緊密になっていると評価した。その上で、今後両国が各クラスで、関連の協議と協力を持続させてくとした」

これぞまさに「大本営発表」というものだろう。文在寅大統領の兄貴分の盧武鉉大統領時代、当時のブッシュ政権の面々は、盧武鉉政権のことを「青瓦台タリバン」と呼んでいた。今回も、相当緊張したやりとりがあったのではないか。

同盟は捨てることができても…

話をオリンピックに戻すと、9日午後8時から行われた平昌オリンピックの開会式のスタジアムで、文在寅大統領と金与正副部長は、がっちり握手を交わした。文在寅大統領は、興奮を隠しきれない様子だった。

そして92ヵ国の選手たちが入場した後、最後に南北選手団が合同で入場を果たすと、文在寅夫妻、金与正、金永南の4人は、立ち上がって迎えた。

〔PHOTO〕gettyimages

韓国国歌が流れている間、金与正と金永南の両氏は、立ち上がって敬意を表していた。このような光景は初めて見た。

与正一行は、「平和」をテーマにした開会式を終えると、宿泊先となるソウルのウォーカーヒル・ホテルへと向かった。

記事をツイート 記事をシェア 記事をブックマーク