アメリカ 北朝鮮

北の意のままに動く韓国大統領にアメリカがいま抱いている「本音」

まさかここまで言いなりになるとは…
髙橋 洋一 プロフィール
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アメリカはたぶんやる気だ

アメリカは、やられる可能性があればやられる前にやる国だ。筆者はアメリカ生活経験があるが、行く前に何回も言われたことがある。「freeze! と言われたら、決して動くな。そこで動いたら、ピストルで撃たれても文句は言えない」

筆者が生活した東海岸では、銃保有者はそれほど多くないが、先制攻撃は場合によってはあり、の国なのだ。余談だが、銃がないのはもちろん、専守防衛を基本とする日本の話を、アメリカ人にすると大いに受ける。

「日本では専守防衛だから、敵が侵略してきてもニ機一組で迎撃する。そして、一機がやられたら反撃する」

というと、「そんな悠長にしていたら2機ともやらえるよ」と呆れられる。相手に「不穏な動き」があれば、すぐやらなければやられるという考えがはっきりしているのだ。

 

その点、もはやアメリカにとって北朝鮮情勢は「攻撃してもいい段階」と言えるかもしれない。平昌五輪前日、北朝鮮では軍事パレードを行い、そこで「火星15」とみられるICBMも披露したという。これは、アメリカ人にとっては「不穏な動き」とみれなくはない。拙著『朝鮮半島 終焉の舞台裏』で紹介したように、これまでの歴史では、アメリはでっち上げても軍事オプションのきっかけを作ってきた国であることも事実なのである。

アメリカによる先制攻撃の可能性は、徐々に高まりつつある。その一例として、韓国内で波紋が広がっているのが「鼻血作戦」である。

これは、米国が北朝鮮の軍事拠点をピンポイントで先制攻撃する、というものだ。戦争にならない程度の限定攻撃(つまり、鼻字を出させる程度)で米国の軍事的優位を示し、北朝鮮に核・ミサイル開発を放棄させることを目的としたものだ。

これが明るみに出たのは、1月末に戦略国際問題研究所(CSIS)韓国部長のビクター・チャ氏を駐韓大使に充てる人事案が撤回されたからだ。鼻血作戦が実施されれば、北朝鮮の報復があるからというので、同氏はこの作戦に反対したという。

1月15日の本コラムで書いたように、今の北朝鮮情勢は、かつてのキューバ危機に似てきている。キューバ危機では、それが賢明にもミサイル撤去したので、大事に至らなかったが、果たして、金正恩が「非核化」を行えるのかどうか。かなりの瀬戸際だ。

2月2日、アメリカ政府は新しい「核態勢の見直し(NPR:Nuclear Posture Review)」を公表し、その中で、戦術核にも言及している。朝鮮半島をその新戦略の実験場にしないとも限らない。

もっとも、文大統領は、北朝鮮の非核化をせずに半島統一をもくろんでいる節もある。それは、日本にとっては最悪のシナリオだ。もしも統一朝鮮が「核保有国」となれば、中国のみならず、朝鮮半島も核を背景に対日圧力をかけてくるだろう。そうなるくらいなら、今のうちに北朝鮮の核の芽を摘んでおく方が日本の国益になる、という発想ももっておくべきではないだろうか。

そんなことを考えながら、平昌五輪・パラリンピックを楽しむ一方で、その後について真剣に考察しているところだ。

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