日本の守護神・藤本那菜選手〔PHOTO〕gettyimages
平昌五輪 アイスホッケー

世界ランク9位のスマイルジャパンが本気でメダルを狙える理由

見どころはここだ!

「メダルを目指す」は本気か?

平昌オリンピックの開会式が終わり、いよいよ今日(10日)から本格的に競技が始まる。

日本の首相が出席するとかしないとか、北朝鮮のトップの妹が誰と会談するとか、スポーツの祭典を利用しようとする卑しい魂胆丸出しの政治家たちの姿をニュースで見させられる時期も終わりだ。

ここからは、4年に1度の舞台に照準を絞ってきた選手たちの、雪と氷の上での戦いを心置きなく楽しめる時間がやってくる。

その先陣を切って今日の午後4時40分から初戦に挑むのが日本代表アイスホッケー代表「スマイルジャパン」である。スウェーデンとの極めて重要な一戦は、NHKとTBSがともに地上波で生中継するという破格の扱いだ。

さらに、12日(月・祝)のスイスとの第2戦はNHK(総合)とテレビ朝日、14日(水)の第3戦、韓国・北朝鮮合同チームとの注目の試合はNHKBS1と日本テレビという、「NHK・民放同時放送」体制が続く。

最初の2試合は土曜日と祝日ということもあって、数多くの方が「スマイルジャパン」のハードな戦いを見ることになるだろう。

正直、五輪になると突如こんなに手厚い放送体制が組まれるのなら、普段からスマイルジャパンの試合をもう少し放送してほしいと思うものの、それはそれとして、これからしばらく、とてつもなく多くの方がスマイルジャパンの健闘を目の当たりにすることになる。

彼女たちは、常々「平昌でメダルを目指す」と繰り返し言っている。しかし、スマイルジャパンの世界ランクは9位に過ぎない。にもかかわらず、なぜメダルを狙うことができるのか。そしてそれはどのように達成されるのか?

TV観戦がさらに興味深いものになるように、彼女たちの最近の戦いぶりを振り返りながら占ってみたい。

 

絶対的な2強の存在

不動のキャプテン大澤ちほ選手や、山中武司監督が「メダルが目標」と言う時、決して「金メダルをとりたい」とは言わない。

これは、日本が狙える「メダル」とは実質的に銅メダルのことで、金と銀は現実的ではないとわかっているからである。逆に言えば、これまで五輪で1勝もあげていない日本でも、銅メダルなら本当に可能性があるとも言えるのだ。

平昌五輪の女子アイスホッケーの組み合わせはソチ五輪と同じシステムを採用しており、少し変則的なものだ。

出場権は8ヵ国に与えられている。

まず、毎年開かれる世界選手権の成績などを元に決められる「世界ランキング」に基づき、1位から5位のチームに出場権が自動的に与えられている。アメリカ、カナダ、フィンランド、OAR(ロシア出身の五輪アスリート)、スウェーデンである。

そして開催国の韓国にも出場権が与えられ、北朝鮮との統一チーム「コリア」に衣替えした。ここまでの6チームは予選を免除されている。

残りの2枠は、世界ランク6位以下のチームが予選を勝ち抜いて得たもので、スイスと日本が最終予選を経て出場権を得た。

出場8チームは4チームずつ、グループAとグループBの二つの予選リーグに振り分けられている。しかし、サッカーのワールドカップのように抽選で決められたのではなく、最新の世界ランクの1位から4位のチームがグループAに、5位以下のチームがグループBに属している。グループAは「上位リーグ」、Bは「下位リーグ」という形だ。

実は、女子アイスホッケーの世界ランキングでは、1位と2位はカナダとアメリカの完全な「指定席」となっている。この10年間を見ても、この両チームが年によって入れ替わりながら熾烈な争いを続けているが、3位以下のチームがそこに割って入ることは全くない。

例えばソチ五輪でも、この両チームは他の国との試合には全勝し、たいていは相手を0点に抑える完封、とられてもせいぜい1点で完勝する試合ばかりだった。

そして、カナダ対アメリカのみが大接戦となるという戦いの末、決勝でカナダがアメリカを劇的な延長ゴールの結果3-2で下して金メダルに輝いた。

こうした状況なので、スマイルジャパンの選手たちもこの二強に勝てるとは思っていないはずだ。むしろ彼らと戦うところまで行けば銅メダルが見えてくる、という考え方をとっていることは間違いない。

新生・ブルーバックス誕生!