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産業医が明かす「外資系企業で働く人のメンタル事情」ホントのところ

潰れる人を生む「3つの特徴」
働き方改革が叫ばれ企業の健康経営がより求められる中、医学的側面から企業をささえる"産業医"の役割が注目されている。その産業医として、外資系企業を中心に二十数社のクライアントを持ち、年間1000件以上の従業員との面談を行う武神健之氏が、外資系特有のハードな職場環境について明かす。

産業医になって驚いたこと

そもそも産業医とはなんでしょうか。労働安全衛生法によると産業医は、「常時50人以上の労働者を使用する事業場において健康管理等について専門的な立場から指導・助言を行う医師」とあります。

医師であり、かつ企業も相手にするというイメージからか、多くの方が仰々しいイメージを持ちがちですが、決してそんなことはありません。日本の医師約32万人のうち約9万人が産業医の資格を持ち、実は簡単に取れる資格です。特別な試験はなく、医師が合計約5日間の講義や実習を受講し申請すれば、日本医師会が発行してくれます。

 

私が産業医となり驚いたことは、大企業の専属産業医でない限り、ほとんどの場合、産業医は企業にとってその産業医1人だけなのです。誰にアドバイスを仰ぐこともできません。

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しかし、企業はその産業医(新米かベテランか問わず)に、多くのことを頼ります。自分がわからないことをその場でごまかす産業医もいれば、調べてから返答する真面目な産業医もいます。

産業医を片手間の仕事とし、その場限りのごまかし対応をしている産業医の技量は伸びることはなく、昨今のように企業がより多くを求められる中で、産業医の素質や教育も問題となってきています。

一方、真面目な産業医たちにおいては、現場での経験を自分の糧として仕事をこなす中、その蓄積が、それぞれの産業医の"スタンス"(職業方針、ポリシー)としてでき上がってきます。

私の産業医としてのスタンスは、「産業医の役割は"その社員が元気に働けるか否か"の判定と、働ける者については最大限のパフォーマンスを上げられるよう手伝うこと」にあると思っています。

「休職」が必要な人の特徴

町のお医者さんは病気を治しますが、産業医の仕事は治すことが目的ではありません。ですので、採血検査や薬の処方はしません。その代わり、社員が働くことができるかの判断と、最大限のパフォーマンスを上げるためのお手伝いをしています。

私は、実際にメンタルヘルス不調の兆しがあり産業医面談に来られた人には、その社員が今病的なレベルなのか(医者にかかるべきか、休職すべきか)、それとも単に不満を言っているのかを見極めます。

仮に、ちゃんと眠れていない、今のつらい状況がいつまで続くのかわからない、休日も引きこもっている、会社で涙が出てしまう、「わからない」という受け答えが多いといった人は、医療機関を受診して治療や休職の相談をすることを勧めます。カウンセリングや専門家受診を促したり、休職者には復職のためのアドバイスも行っています。

そして、社員が元気に働きそれぞれが最大限のパフォーマンスを上げられるように、企業とは職場環境に関する相談を随時しています。

社員と企業の間の調整役的な役割となることもあります。その全ての根底にあるのは、社員各自のパフォーマンスを最大限に発揮する場を作ることへの協力と献身です。

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