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外国人から見た東京の不動産「安いが、未来はない」という残念な現実

単なる投資の対象で、住む場所じゃない

東京圏の不動産人気が続いている。タワーマンションや富裕層向けのハイグレードマンションの建設が相次ぎ、分譲価格はこの10年間で3割以上上昇。いまなお高止まりが続いている。「局地バブル」と指摘する専門家もおり、先行きは不透明で、購入や売却、投資のタイミングに迷う人も多いようだ。

海外からは日本のこの状況がどう見えているのだろうか。世界各国のメディアの論調を見てみると、日本人の視点とはだいぶズレがあることがわかってきた。

 

「日本ならビル一棟まるごと買える」

「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」(2017年7月7日)は、日本の不動産への投資が活性化する現在の状況とその理由をこう報じている。

「今日の(日本における)不動産価格は、上昇ペースは年1%ほどにスローダウンしたものの、2013年に比べて30〜40%値上がりし、リターンは平均3〜4%に落ちた。それでもなお投資は可能だし、主要都市にある物件は、香港の投資家にとって魅力的であり続けている」

「海外の不動産を買う人たちは、それぞれの理由を持っている。イギリスに買う場合、子どもの教育のためとか、オーストラリアなら、定年後をそこで過ごすとか。そして、日本の不動産を買う人たちの理由は、何と言っても『(不動産の)金額』だ」

「東京、横浜、大阪、京都のいずれかに自由土地保有権の(貸借でない)不動産を所有できるのは、香港の投資家にとって魅力的なことだ。香港にちょっとしたアパートを買うカネがあれば、日本だとビルが一棟まるごと買えてしまう」

経済メディア「ブルームバーグ」(2017年6月7日)も、住戸供給がダブつき気味で「2019年までに住戸価格が20%以上値下がりする」というドイツ銀行の不動産アナリストの分析を紹介しつつ、最後はシンガポールの不動産コンサルタントのこんな言葉で記事をまとめている。

「日本の不動産はグローバルな視点で見ると非常に安い。東京をはじめいくつかのエリアで価格上昇が起きているのは事実だけど、価格がいくらかでも下がれば、外国人投資家たちがここぞとばかりに買い漁るんじゃないかな」

海外メディアのほとんどは、日本の不動産が「高止まりしている」などとはまったく考えていないのである。

東京は、投資対象として魅力がない

ただ、投資専門メディア「インベスト・アジアン」(2017年8月12日)には、次のような記事が掲載されている。中国人によるアジアの不動産への投資が活発になっていることを受けたものだ。抜粋してみよう。

「東京の不動産価格が高いと言っても、(中国人の投資対象となっている)香港やシンガポールの不動産が高いのとは理由が異なる。外国人たちは、日本で不動産の価値を高めようとは思っていない。日本のビザ取得や不動産購入にはある種の苦痛が伴うので、わざわざ投資しようなどとは思わない。なおかつ、中国人は(観光ならともかく)日本がそんなに好きではない」

ロンドンの街並みロンドンの街並み photo by iStock

「東京の不動産は外国人投資家が大騒ぎしなくても十分高いのだ。日本の生活水準は高く、インフラも充実していて、一人当たりの国内総生産(GDP)は4万ドルにも達する。東京の戸建てやマンションの価格は、ロンドンやニューヨーク、パリ、ウィーンなど、生活水準や収入レベルが同じ世界の他の都市とそんなに変わらない」

「とはいえ、日本の未来は明るくない。人口減少や末期的な弱い経済は、東京において不動産の需要が減っていくことを示している。この都市で不動産に『投資』を考えることは、どう考えても割に合わない」

日本の収入レベルや生活水準を考えれば、不動産の値段は世界の水準からして妥当だが、将来の発展が期待できない東京は、投資対象としてそもそも魅力がない、というわけだ。

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