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「10年に一度のバブル崩壊」を予兆させる不吉な数字

さて、日本への影響は…
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10年に一度発生する金融危機の可能性

およそ10年に1回、経済危機が起こる、と以前にも書いたが、状況からしてまさにそれが起ころうとしているのかもしれない。

10年前にリーマンショック、約20年前にアジア通貨危機、約30年前にブラックマンデーが発生した。

10年ひと昔とは良く言ったもので、10年もすれば忘れることも多い。喉元過ぎれば、ではなく、10年も過ぎれば、というわけである。とにかく、十分に気を付けて頂きたい。

ともかく、米国ニューヨークダウ工業株30種が大きく下落している。直接のきっかけは、2月2日(毎月第一金曜日)に発表された雇用統計である。

雇用統計では数多くの指標が発表される。失業率、非農業部門雇用者数などは以前から注目されていたが、最近、注目されているのは、イエレン前議長も最も注目していた賃金上昇率である。

失業率は4.1%と前月比横ばいであるが、約17年ぶりの低水準を維持し、非農業部門の雇用者数が好調を示す20万人をキープしている。さらに、賃金上昇率は2.9%と目標である3%に達しつつある。

経済の好調を示すこの点が、リーマンショック以来続いていた緩和傾向から、引き締めがいよいよ本格化するという、金融政策の大きな転換を市場に連想させたのである。

ちなみに米国の中央銀行FRBは、その目標として物価と同様に雇用を目標としているめずらしい中央銀行である。

イエレン前議長の専門は労働経済学(博士)であることも、それを示している。彼女が最も注目していたのが、学生時代から(博士論文でも)そうであったが、賃金上昇率である。(この点をアベノミクスでも取り入れたと考えている)

 

バブルだったニューヨーク株価

2008年にリーマンショック(金融危機)の対応として、先進国の中央銀行は量的緩和を開始した。米国のFRBも通貨量(資産購入量)を5倍にした。その後、景気回復等に合わせ、量的緩和を終了し、現状を維持しており、利上げを開始した。そのペースは非常にゆっくりとしたものであった。

これが今回の雇用統計で、市場はペースを上げていくと考えられ始めているのである。

筆者は、ここで、2つの金融危機、つまりバブル崩壊が起こる可能性があると考えている。

株式市場からの資金流出、それは株価の下落(資金の縮小)ということである。直前まで、金利が上昇しているにもかかわらず、ニューヨークダウは上昇し続けたということも、そもそも行きすぎを感じさせるのに十分であった。

もう1つは新興国から先進国への資金の逆流が起こることで、これはアジア通貨危機と同じモデルである。

米国の利上げのペースが上がるという事は、これは“傾斜(金利差)”がさらに急になることを意味する。新興国はそれほどかんたんに追従して金利を上げることはできない。

ちょうど、パウエル新議長になったのも引き金となっている。イエレン前議長は景気に配慮するハト派といわれてきた。パウエル氏もいままでイエレンの政策に反対票を入れたことがなく、同じくハト派といわれていた。

しかし、最近になって、市場では、さすがにタカ派ではないが、米国の中では「中間派」と評価が変わってきているのが個人的には気になる。

相場というモノは落ちるときが早いもので、“損切”が加速する。ある程度、落ちてから、ぐっと落ちるのである。

個人的には、“2割”というレベルがバブル崩壊の1つの目安と考えている。経済でも、個人の生活でも、2割を超えて落ちると反動力が落ちるのである。

その目安は、ニューヨークダウは現在のところの最高値が1月27日の2万6617円であるので、2万1294円である。日経平均が1月24日の2万4124円だとすると、1万9299円である。

しかも、余計なこととはいいながら、ビットコインなど仮想通貨の暴落も個人投資家の動きに、相互に影響を与える。

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