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オリンピック ライフ

羽生結弦に「神様のプレゼント」が舞い降りる日

こうすれば金メダルが獲れるはず

私は、1980年からずっとフィギュアスケートを愛してやまない観客であり、羽生結弦をはじめ、すべてのスケーターを心からリスペクトしている人間です。

羽生結弦という選手のすごみ、ひいては、フィギュアスケートというスポーツのすごみ、フィギュアスケートというスポーツに打ち込んでいる全選手のすごみを伝えることができたらと、『羽生結弦は助走をしない』という本を上梓しました。38年間の観戦歴のすべてを込めたつもりです。

そう語るのは、エッセイストの高山真さん。高山さんがフィギュア愛炸裂で書いた新書『羽生結弦は助走をしない』が売れている。

なぜここまで具体的に記憶しているのかと驚くばかりの具体的な演目解説に技術説明。マニアックな視点で「羽生結弦の何がどう素晴らしいのか」を徹底的に分かりやすく分析しているからだ。

そこで、平昌五輪に合わせ、集英社新書で作られた「『羽生結弦は助走をしない』特設サイト」で連載がスタートしたエッセイから、特別に再構成して抜粋掲載させていただく。

回復のニュースのたびに心奪われる

2018年1月17日に拙著『羽生結弦は助走をしない』が発売になりました。この本に携わってくださったすべての方に深く感謝をしつつ、私は拙著の発売前日から2月6日あたりまで、別のことにすっかり心を奪われておりました

1月16日、「羽生結弦が氷上練習を再開した」というニュースにふれ、2月5日には、羽生のコーチのブライアン・オーサー氏が「当然、金メダルを狙っていく」とコメントをした、というニュースにふれたのです。

自分の本のことをそっちのけにしている著者というのは、担当さんからすれば不実にもほどがある存在ですが、スケートファンの方ならば、羽生ファンの方ならば、私のこの気持ちはわかっていただけるのではないかと……。

 

1月の第二日曜日でしたでしょうか、私は、深夜の日本テレビの『NNNドキュメント』を見ていました。羽生結弦のこれまでの数年間に密着したドキュメンタリー。その中に、羽生が少年時代から今に至るまでずっとつけているというノートが紹介されていました。

何冊分にもわたってびっしり書き込まれた、「己との向き合い」。その中で、なんと言うか異彩を放っていたのは、1ページまるまる使って、大きな文字で書かれていた、こんな言葉でした。

「絶対に勝ってやる!」

日付は2012年10月26日でした。

ああ、羽生結弦というスケーターは、ずっとこうやって「一日一日、一瞬一瞬、自分自身と向き合う冷静さ」と、「型破りなほどのパッション」の両方を、統合しようと努力を続けてきたのだ……と感じ、鼻の奥がツンとしてしまいました。

その言葉が結実したのが、2014年のソチ五輪金メダルだ Photo by Getty images
新生・ブルーバックス誕生!