企業・経営 週刊現代

給料もそこそこだけど、残業もそこそこで「普通に幸せな会社」50

子供や孫に教えてあげたい
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ノルマがまったくない

カルビー元社長で、経営コンサルタントの中田康雄氏がおススメするのは、岐阜県の資材メーカー『未来工業』である。

「この会社はノルマがない、売上目標も決めていない。上司に対しての報告、連絡、相談もしなくてもいい方針です。それでも、業績は好調で売上高の経常利益率は13%です。

また、5年に1度は会社が億単位の費用を負担し、社員全員で海外へ社員旅行を実施。従業員全員が正社員で、社員一人一人が常に考えて仕事をすることがこの会社の考え方で、勤務時間は毎日7時間15分です」

ビジネスリサーチ・ジャパン代表の鎌田正文氏もこう続ける。

「未来工業は残業がないうえ、日本で一番休みが多い会社。年間休暇が140日。にもかかわらず、給与も45歳平均で630万円と、地方企業としては良いほうです。

さらに定年が70歳。普通の会社は定年延長で勤務できても、65歳以上になると給与をグンと下げる。しかし同社は、65歳で700万円ほどを保証します」

ここまで待遇が良いと社員も自然とやる気が出る。同社では独自の商品が次々と開発されている。

 

地方企業では長野県の食品会社「伊那食品工業」も評価が高かった。同社は寒天が主力商品で国内シェアは80%、年商はおよそ200億円である。『社員を幸せにする会社』の著者でジャーナリストの片山修氏が言う。

「売り上げ拡大よりも社員の幸せにこだわった経営を貫いています。終身雇用で年功賃金。その結果として、緩やかな上昇ではありますが、着実に増収増益を続けてきました。

しかも利益は社員に還元しています。3年に1度、スタッドレスタイヤ手当を支給するなど、社員の生活に対するサポートが手厚いんです。

同じようにアウトドア用品メーカー『モンベル』の創業者の辰野勇会長も『世界一社員が幸せな会社』を目指し、売り上げ拡大を目標にしていません。『競争しない。無理もしない。勝つ必要はないけど、負けるわけにはいかない』がモットーです。

商品のアイデアをあらゆる部署の社員が出せる仕組みを作り、やる気を高めています」

超エリート企業に比べると、収入は低いだろう。だが、それ以上に得られるものがある。表にまとめた50社を参照して、我が子や孫の将来に役立ててほしい。

識者一覧①(50音順・敬称略)/新井健一(人事コンサルタント)、新将命(経営コンサルタント)、井上和幸(人材コンサルタント)、植木靖男(株式評論家)、長田貴仁(経営評論家)、片山修 (経済ジャーナリスト)、鎌田正文(ビジネスリサーチ・ジャパン代表)、小宮一慶(経営コンサルタント)、須田慎一郎(経済ジャーナリスト)、田中秀臣(上武大学教授)
識者一覧②(50音順・敬称略)/谷出正直(採用アナリスト)、津田栄(経済評論家)、中田康雄(経営コンサルタント・カルビー元社長)、新田龍(ブラック企業アナリスト)、前川孝雄(人材育成コンサルタント・FeelWorks代表取締役)、真壁昭夫(法政大学大学院教授)、松崎隆司(経済ジャーナリスト)、保田隆明(神戸大学大学院准教授)

「週刊現代」2018年2月17日・24日合併号より

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