金融・投資・マーケット 週刊現代

首都圏で「タワマン暴落の兆候」いつ手放すのが正しいのか

いまは日本最後の 「土地バブル」
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まさに不動産からの「大脱走」が始まっているわけだが、背景にあるのは投資マネーの動き。これまで日本の不動産市況を牽引してきたのは海外投資家で、日米欧の金融緩和政策でジャブジャブにあふれたマネーを日本の不動産に投じてきた。

それが昨年から米欧が金融引き締め路線に転じたことで、水道の蛇口が閉められたようにマネーの流入がストップ。

これまで不動産高騰を演出してきたマネーが止まれば、バブルは弾ける――そう気付いた一部の人たちが「いまのうちに!」と売りに走っている形である。

 

「マンションなどに投じられていた投資マネーが、東京五輪を前にして、すでに売りに転じてきました。

また、インバウンド需要が期待できる浅草、上野、小伝馬町など東京の東エリアではホテル需要が豊富で、マンションより投資妙味が高いと感じている投資家も多い。

投資マネーがマンションから一斉に引いていけば、当然価格には下落圧力がかかってくる」(オラガ総研代表の牧野知弘氏)

言い方を換えれば、これまで投資マネーによって価格を引き上げられてきたこうしたエリアには、「売り時」が迫ってきたということである。

そうした状況に追い打ちをかけるのが、'19年10月の消費税アップ。税率が8%から10%へと上がる予定で、落ち込む不動産市場にさらに冷や水を浴びせかける最悪のシナリオが幕開けする。

'19年10月と聞くとまだ先のように聞こえるかもしれないが、増税時には経過措置として半年前までに契約すれば、実際の引き渡しがそれ以後でも増税前の税率が適用される。

そのため、'19年3月末までは駆け込み需要が期待できる一方で、4月から巨大な反動減に見舞われる。それは、「もうすぐそこ」にある現実なのである。

中でも危ないのは、「実需エリア」だ。

「'14年4月に消費税が5%から8%に引き上げられた際には、大手でも注文住宅の受注が3割くらい減り、ひどいところはその状態が2年以上続きました。

そうした反動減の影響を真っ先に受けるのは、『実需』のある埼玉、千葉などのエリアでしょう。

都心部より買いやすい価格設定で普通のサラリーマン世帯が購入してきた地域だけに、消費増税で物件価格が2%も上がると需要が一気に冷え込みかねない。

埼玉でいえば川口、さいたま新都心より先のエリアが危ない。千葉だと舞浜、浦安は耐えられるが、都心へのアクセスが悪い京成線や新京成線沿線は持ちこたえられるかどうか」(住宅ジャーナリストの山下和之氏)

前出・榊氏も言う。

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「都心部の『実需物件』ではすでに売れ残りが出始めています。サラリーマン世帯の実需層が購入するのは5500万円ほどの物件ですが、大田区の京急沿線、中野区の西武沿線ではそのクラスの新築物件の販売在庫が顕在化してきた。

葛飾区の東京スカイツリー周辺の人気エリアでも、竣工から数年経っているのにまだ完売しない物件がある。最近では新築マンションの販売現場で、交渉のテーブルについた途端、500万円単位で値下げするデベロッパーも出てきた。

こうしたエリアで物件売却を検討している人は、いまから売りに出して早めに買い手を探し始めたほうがいい」

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