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なぜ日本企業は不祥事解明のための「第三者委員会」を設けないのか

日産、SUBARU、東レ……民間委員会が異例の声明
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声明がやり玉に挙げたこと

企業不祥事が相次いだ場合に設置される「第三者委員会」の報告書を評価する民間の「第三者委員会報告書格付け委員会」が、昨年相次いで発覚した品質偽装などの不祥事について、真相究明のために「第三者委員会」すら設置しないのは問題だとする異例の声明を2月6日、発表した。同委員会の委員長を務める弁護士の久保利英明氏が都内の事務所で記者会見して公表した。

日産自動車とSUBARUが委員会を設置していないことや、東レが設置した有識者委員会が調査を自ら行っていないことをやり玉に挙げ、社外取締役のリーダーシップによって第三者委員会を設置するよう求めている。

声明ではまず、日本取引所の自主規制法人が2016年2月24日にまとめた「上場会社における不祥事対応のプリンシプル~確かな企業価値の再生のために」を挙げ、それに沿った対応の重要性を強調した。

プリンシプルでは、「内部統制の有効性や経営陣の信頼性に相当の疑義が生じている場合、当該企業の企業価値の毀損度合いが大きい場合、複雑な事案あるいは社会的影響が重大な事案である場合などには、調査の客観性・中立性・専門性を確保するため、第三者委員会の設置が有力な選択肢となる」とされており、声明ではこの点を重視すべきだとした。

 

そのうえで、日産自動車や神戸製鋼所、SUBARU、三菱マテリアル、東レといった昨年不祥事が相次いだ企業では、「いずれも、独立性・中立性・専門性を確保した第三者委員会の設置が必要と思われるが、少なくとも、日産自動車とSUBARUは委員会を設置せず、東レの有識者委員会は調査を自ら実施せず、プリンシプルに即した対応を避けている」と、強く批判している。

経営者はなぜためらうのか

格付け委員会は第三者委員会がまとめた報告書を検証するのが役割だが、そもそも第三者委員会の設置自体を企業経営者が意図的に避けていたのでは話にならない、というわけだ。

経営者が「第三者委員会」を設置しないのは、プリンシプルが上場会社に求めている「必要十分な調査により事実関係や原因を解明し、その結果をもとに再発防止を図ることを通じて、自浄作用を発揮する」という点や、「速やかにステークホルダーからの信頼回復を図りつつ、確かな企業価値の再生に資する」という点に明らかに反しているとした。

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