お妻様が4年以上履き続けたユニクロ製裏起毛スウェットと愛猫(写真:鈴木大介さん提供)
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「発達障害」の大人は、決してだらしないわけじゃなかった

その後の僕とお妻様【前編】

現代ビジネスの好評連載『されど愛しきお妻様』(以下『お妻様』)が大幅加筆を経て1月24日に書籍化、そして早くも重版出来! お祝いを兼ねて、著者の鈴木大介さんに『お妻様』の“その後”を執筆していただきました。

脳梗塞を起こし、後遺症として高次脳機能障害を抱えるようになった鈴木さんは、同様の不自由感をもつ大人の発達障害なお妻様と、初めて同じ地平に立つことができました。

なぜ「やれないこと」があるのか、やれない理由が解釈できれば、やれないことをやれるようにする工夫もまた、できるはず。そんなふうにお互いの障害を見つめ合いながら、以前は一方的に鈴木さんが家事を負担していたアンバランスな家庭環境を抜本的に改善し、かつて「やれなかった」お妻様に対して無理解の刃をふるい続けた自らを懺悔しまくり。

そんな経緯を夫婦の出会いから18年分も掘り下げまくった『お妻様』の脱稿から、およそ4ヵ月。不定形発達にありがちな不器用さとバランスの悪い集中力と絶望的な手際の悪さで家事全般全滅状態だったお妻様は、どんどんやれることが増え、いまや積極的に家事に参加してくれるようになり、鈴木さんの負担は激減しました。が、新たな問題が発生!?

雑巾モードのお妻様

毎朝起きればルンバのスイッチを押すだけで掃除が始められる、物の落ちていない床。頼まなくても前日に取り込んでおいた洗濯物は畳まれ桐ダンスに入り、脱ぎ捨てられた服もほとんどない! こんな快適な朝をどれほど待ち望んだことか、すごいぞネオお妻様! けれど、こうして誕生した新装開店ネオお妻様ですが、いざやれることが増えてくると、一層「それでもやれないこと」が目立って見えてきた。その最たるものが、セルフケア=自分自身の体調管理についてだ。

元気な変人であるお妻様だけど、実は1ヵ月の内10日ぐらいは「具合悪い、今日の俺はスーパー駄目だ」とぼやきながら、使い古した雑巾みたいにぐったりして起床して来る。そもそも決まった起床時間というものはなく、なんとか昼前に起きて来る日があったと思いきや、本当に夕方まで起きて来られないときもある。

そして、起きてしばらくすれば元気になる日もあるいっぽうで、ずっと駄目な日も……。けれども傾向は意外に分かり易くて、具体的には生理の前後や、天候不順の日(悪性脳腫瘍サバイバーで頭蓋骨をがっぽり切開した過去のあるお妻様は気圧による頭痛持ちです)は、高確率で1日中雑巾モードである。

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けれども、そんな彼女を見ていると、ちょっとうんざりしてくる。お妻様よ、君は「具合が悪くなったら倒れる」だけであって、倒れる前に何か工夫するとか備えるといったことを一切せんのか?

「頭いてー。低気圧恨むわ~」とか言っているお妻様に「薬飲んだ?」と聞けば、8割がた返事は「まだ」。いつも無駄にニュース専門チャンネル流しっぱなしにして気象予報士が可愛いとかこの子うちの子にしたいとかほざいてるんだから、天気が崩れる前に薬飲んどけばいいのに。

 

だいたいネットを見れば気象病による頭痛の緩和情報なんかごろごろ転がっているのに、試そうともしない。かなり重い生理痛だって、言わないと薬も飲まないし、見てればゲーム機の前でフローリングの床に座り込んで、身体も冷やしまくり。

けれど、もっと視野を広げると、お妻様はそもそも自分自身もあまり関心がないように見えます。

新生・ブルーバックス誕生!