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防衛・安全保障 アメリカ 北朝鮮

アメリカの「対北朝鮮軍事的措置」、実はすでに始まっていた

そうか、あの演習が実は…

一昨年以来、北朝鮮の核開発やミサイル発射による挑発が目に余る。国際社会は2006年の国連安保理決議により、北朝鮮が核・ミサイルを「完全で、検証可能で、かつ後戻りできない」形で放棄することを求め、その姿勢を崩していない。

昨年就任したトランプ大統領の政権は、北朝鮮に対してこれまでになく厳しい姿勢で望んでいるように見える。経済・政治面でこれまで以上に厳しい制裁を課すと同時に、いわゆる軍事オプションが机上にあることを明言し、そのことの信憑性を行動で表してきた。

ここでは、米国の軍事的措置はすでに始まっていること、米国の言質はブラフではないこと、また、韓国や日本もまた1990年代以降、朝鮮半島における不測事態に対処するための体制を整えてきたことを解説する。

一連の軍事的措置は、北朝鮮国家そのものを崩壊させるだけの準備がすでに整っていることを、そしてその意思が明確であることを、誤りなく相手に認識させることを目的としている。

破滅よりましな選択に導く。そのことを通じて、冒頭に述べた国際社会の合意に基づくゴール、すなわち北朝鮮の核・ミサイル計画の放棄を求めることの可能性は十分にあり、またこれを求めるべきである。

 

沖縄の米軍ヘリ不時着頻発が発するメッセージ

最近、在沖縄米軍基地のヘリコプターなど航空機の事故や不時着陸が頻発している。実は、このことは専門家から見れば、この地域に展開する米軍全体が朝鮮半島での万一の事態に備え、極めて高度に準備を進めていることを示している。特に夜間訓練の頻度が高まっていることがそれを示している。

米軍をはじめとする先進国の軍隊は優れた夜間用装備を持っているため、闇を味方にすることができる。特に、正規軍部隊と同士が相対する場合、目視でも観測が可能な昼間での戦闘に比し、夜間戦闘では暗視装置などの優秀な側が圧倒的に優位となる。

沖縄での夜間訓練の頻度が増しているのは、高い烈度の本格的な戦闘、すなわち朝鮮半島での本格的な軍事行動を想定した訓練に焦点をおいていると考えることができる。

朝鮮半島の緊迫にともなって在沖縄米軍部隊を含め日本周辺に所在する米軍全体として北朝鮮に対する抑止を目的とした示威行動などの実任務が増え、部隊の活動がこれまでになく活発化していること、言い換えれば米軍が忙しくなっていることは容易に想像できる。

事故や不時着の増大には、いわゆる任務過剰という事情があり、しかも夜間訓練が増加することによって隊員の疲労が蓄積してきたことがあると考えられる。

このような場合、ややもすれば実戦が近いことを理由に安全のための基本的な手順が疎かになりがちだ。一方、戦場に到達する前に事故で航空機を失うことは、誰にとっても深刻な問題だ。米軍指導部としても、すべての部隊に対して、基本に帰り、安全確保のための手順を愚直に守ることを厳しく求めているものと思われる。

昨年末以来、在沖縄米軍のヘリによる不時着が増えているのは、航空機の運用手順書に忠実に従い、より深刻な事故に至る前に予防的に着陸して事故を防止しようとする努力の表れと考えるべきだ。

一般の報道からは、事故の頻発は、単なる不祥事としか感じ取れないだろうが、軍事の専門家から見れば、紛れもなく差し迫った実戦の準備なのである。このことは間違いなく北朝鮮にも伝わっているのである。

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