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経済・財政

日銀「異次元金融緩和策」に変化の兆し…?

狙いとこれからを探る

内外の金融市場参加者の間で、わが国の"異次元金融緩和策"がどのように運営されていくか、様々な憶測が飛び交っている。

国内金利の推移を振り返ると、昨年末0.045%だった長期金利は、1月下旬には0.095%まで上昇する場面があった。先々、わが国の金融政策が正常化に向かうとの見方は増えているようだ。

理論的に考えると、景気が回復する場合には資金需要のひっ迫などから金利は上昇しやすい。わが国の場合、資金需要が大きく高まっているわけではないが、人手不足は顕著であり、徐々に物価上昇期待も高まりやすくなっている。

足許の緩やかな景気回復のモメンタム=勢いが維持されるのであれば、国内の金利は徐々に上昇する可能性がある。

高まる金融政策の正常化観測

年初以降、わが国の国債市場では「想定されるよりも早い段階で日銀が金融政策の正常化を進めるのではないか」との見方が増えてきた。

特に、1月9日、日銀が国債買い入れオペレーションで超長期の買い入れ額を予想外に減らしたことを受けて、多くの市場参加者が正常化への地ならしが進むと警戒感を強めた。

日銀決定会合後の会見にて、黒田総裁はこうした市場の観測を否定した。25日、ダボス会議の会場でも総裁は金融緩和をねばり強く続けることが重要との認識を示した。そうした発言は、市場参加者が過度に正常化への観測を強め、国内の金利が急上昇するリスクを抑えようとするものだったといえる。

1月下旬には、米国を中心に主要国の金利が上昇基調で推移してきたことに押され、国内の長期金利が0.1%に近づいた。

そのため、31日にも"指値オペ(指定した金利水準で無制限に国債を買い入れる日銀のオペレーション)"が実施されるだろうと身構える投資家もいた。

しかし、指値オペは実施されなかった。市場への配慮を示しつつも、日銀は、金利の上昇を静観している。

景気が回復すれば金利が上昇するのが経済の自然な流れだ。2016年9月に、イールドカーブコントロール政策が導入された時点に比べ、米国や中国、欧州の景気は堅調だ。それにけん引されて、わが国の経済環境も良好だ。当面、日銀はオペの柔軟な運用を重視しつつ、長期金利の動向を見極めようとする可能性がある。

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