週刊現代

『北の国から』倉本聰さんがベストセラー『未来の年表』を読んだら

こりゃあおったまげた!

ベストセラー『未来の年表』が描く、人口減少後の過疎地帯が広がる日本で、我々はどのように暮らしていけばよいのだろうか? 電気も水道もない『北の国から』私たちの歩むべき未来が見えてきた。

ネットで買い物? ムリだ

倉本 河合さんの『未来の年表』には驚かされました。ドラマ『北の国から』を作った当時は、日本は好景気に浮かれていた。そうしたものへの違和感からあのドラマを作ったんです。それがいつの間にかこんなことになるとは思いもよりませんでした。

河合 『北の国から』がスタートした'80年代初頭はまだ日本の人口が増えていましたから、こうなると予測できなくても仕方がないと思います。

現在の日本の人口は約1億2700万人で、このままいくと2115年には5000万くらいになる。100年で人口が半減するのです。

 

倉本 これからどんな社会が出現するのか、そこから教えてください。

河合 今年は前期高齢者と後期高齢者の人口が逆転する年です。後者のほうが多くなる。

平均寿命は延びていますが、健康寿命はついていきません。80代になると人間は運動能力も認知能力も衰えてくる。そういう人たちが世の中の大半を占めるようになれば、日本がこれまで目指してきた研ぎ澄まされた「効率社会」は成り立たなくなります。

東京の地下鉄はラッシュアワーでも2~3分おきに電車がやってきます。なぜそれが可能かといったら乗客がきちんと動けるからです。買い物でも同じことがいえる。

日中、デパートで買い物をしている女性たちは高齢者といっても60代のマダムたち。これが80代が大勢を占めるようになると風景は一変します。

店員の商品説明が理解できない。おカネを払おうとしたら財布から小銭がジャラジャラとこぼれ落ちるなんてことも。

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倉本 社会そのものが変質してくるんですね。日本はこの期におよんでリニア新幹線なんか作っているけど、本当にナンセンスだと思う。

高齢者が移動距離を1~2時間短縮したところで、その時間をいったい何に使うんだろう。これからは効率のみを追い求める経済中心の社会は立ちゆかなくなると思います。

河合 先日、官僚と話をしていたら頭が痛くなりました。買い物にも行けない高齢者が増えることを指摘したら、「いえ、これからネット通販の時代ですから、お店まで買いに行けない高齢者が増えても大丈夫です」と本気で言うんです。

「バカを言うな、ネット通販だって物を運ぶ人間がいなければ成立しないんだ」と思いましたよ。いったい誰が運ぶんですか。ドローンが運ぶなんて大真面目に語る人もいますが、運べる重さには限界がある。そうした技術を支える人材が不足していくことがそもそもの問題です。

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