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週刊現代 中国

中国に出現した「未来都市」深センで見た驚くべき光景

無限の欲望が集まる街で
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1980年、人口3万人の漁村・深圳が中国初の経済特区になった。以来38年、隣接する香港を凌駕する「アジアのシリコンバレー」に成長した。世界最先端都市に飛び、深圳のいまを現地ルポした。

秋葉原の30倍の電子街

そこはまさしく、中国人の無限の欲望の大噴火が起こっていた。

「アジアのシリコンバレー」「世界最先端都市」――最近、深圳に冠せられる形容詞は多い。今回、香港に隣接するこの人口1200万の経済特区を訪れてみると、格段の進化を遂げていた。

深圳中心部の福田区の一角を占める「華強北」。もともとは秋葉原を模して作ったが、いまや秋葉原の30倍という世界最大の電子商店街に膨張した。ビックカメラやヨドバシカメラの本店が、地平線の彼方まで連なっている感じだ。

だが、秋葉原の家電量販店が一般の個人客を相手にしているのに対し、華強北が相手にするのは、主に中国国内及び世界各地から買い付けに来るバイヤーたちである。

もちろん、個人の観光客が買っても構わないが、あまり親切に対応してもらえないし、値引きもしてくれない。

 

サウジアラビアから来たバイヤーが、子供向けのIT教育用品の交渉を行っていた。数万個、数十万個単位の交渉だ。成立すれば、その場で代金を支払い、即日、商品がサウジアラビアに向けて発送されるという。

一歩裏通りに入ると、商品を包む段ボール会社、配送会社などがズラリ軒を並べている。いわゆる「深圳スピード」だ。

中国鉄道出版社刊『深圳』('16年版)では、華強北をこう解説している。

〈華強北の前身は、電子・通信・電器製品の部品工場群で、40棟以上あった。'98年に深圳市が華強北の改造に着手し、深圳を代表する商業地域に変身させた。いまでは、携帯電話関連産業の成長のバロメータと言われる。

華強北道は、南北930m、東西1560m、商業区の総面積は約1.45平方キロメートル。

一日の集客量は30万~50万人だ。内部の企業は717社で、電子、電器、通信、時計、アパレル、金飾、銀行、証券、保険、不動産、ホテル業界に集中している。大型デパートも20数店舗ある〉

華強北の店舗群を回っているうちに、'18年1月現在の売れ筋商品が見えてきた。それらは、以下のようなものだった。

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バックミラー・ナビゲーター 500元~(1元≒17.2円、以下同)

ドライバーは運転中、運転席からカーナビとバックミラーを見る。そこで、「2つを同時に見ることはできないか?」という発想から生まれた商品だ。

女性店員が実践してくれた。彼女が横長のバックミラーの左隅に指でタッチすると、バックミラーの中心部が、カーナビの地図に変わった。

店員が、「警察署へ行きたい」と、バックミラーに向かって話しかける。するとバックミラーのスピーカーが女声で、「警察署って、どこの警察署?」と聞き返してきた。

店員は「最寄りの警察署よ」と答える。するとたちどころに、バックミラーの中のカーナビの地図に赤いラインが入り、「この先、200m先を右折してください」と指示してくれた。あとはバックミラーの指示通りに走っていけばよい。

この商品は、Anytek(安尼泰科)という'03年に深圳で創業した会社が作っていた。安尼泰科は、いまや中国最大の車内機器メーカーに成長している。

360度監視カメラ 460元~

同じくAnytekの人気商品で、球状のカメラのスイッチを入れると、360度の風景を撮影してくれる。各国の政府機関などからの注文が多く、日本にも輸出している。

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