技術だけではダメ

実は、人体データの測定にIoT(Internet of Things :モノがインターネットに接続されること)を活用したサービスは海外含めてほとんど例がありません。その意味でオンリー1だと確信していますし、技術がさらに向上すれば、さまざまな展開が可能になるでしょう。

例えばDFreeは超音波で膀胱に溜まる尿の速度を計測していますが、それはつまり腎臓の機能の計測でもある。これを応用すれば糖尿病の進行や腎不全になるリスクの特定もできるかもしれません。

膀胱や大腸に限らず、ゆくゆくは生体のすべてを観測して、寿命の特定までできるようになれば最高ですね。

死は避けられないけれど、いきなり訪れるから怖いのであって、仮に10年前に余命がわかれば心の準備もできるし、残された時間をエンジョイできる。介護施設に入っている90才のおばあさんが、老後が心配だからなかなかお金を使えない、言っていましたが、寿命がわかれば思い切って好きなことに使えるじゃないですか。

IoTというのも、本来こうした何かの課題を解決するためにあるものだと思うんです。

社長の中西敦士氏 Photo by Riki Kashiwabara

少し前にラスベガスの家電ショーに行ってきたのですが、そこには新しい技術を用いたサービスが数多く出展していました。

例えば、ビーチパラソルが太陽の向きに合わせて傾いたり、光の量に合わせてパラソルがしぼんだりするといった感じで…。たしかにおもしろいのですが、それ本当に必要? と首をひねりたくなるものも少なくない。

言うまでもなくIoTはあらゆるものがネットに繋がることで、素晴らしい世界が待っているとよく言われていますが、今一つ実感がないのは、それによって何を実現するかが示されていないからなのではないでしょうか。

そういう意味でいうとDFreeは、どうしたら少しでも漏らさないようにできるかという課題解決を考えたとき、制御の観点でインターネットにつながっている必要性が出てきたし、可視化して小型化するためにはクラウドに情報を集める必要があった。つまり、目的のためにはIoTにならざるを得なかった。

インターネットやITというと、これまでバーチャルなところで広がってきましたが、これからはリアルでシリアスな世界に入り込んでくるでしょう。それはまさに課題解決です。

つまり、さまざまなモノにネットがつながった時にどういう課題が解決できるかというところが大事だし、我々も引き続きそこに取り組んでいくつもりです。

今回のDFreeは人類の普遍的な問題だった排泄に関わる不便や不満を少し解決できたかもしれませんが、衣食住もふくめ解決する課題は無数にある。つまり、ビジネスのチャンスも無数にあるのではないでしょうか。