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「日本のお笑いは世界最高レベル」と自信を持って言えばいい

チャド・マレーンと語りつくす
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脳科学者の茂木健一郎が「日本のお笑いはオワコン」という趣旨の発言で物議を醸したことに始まり、昨年末、ウーマンラッシュアワーの社会風刺漫才が大反響を巻き起こしたり、『笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』で浜田雅功が黒塗りメイクをしたことが「黒人差別にあたる」と批判を受けたり、「日本と海外のお笑いの違い」について改めて考えさせられるような出来事が立て続けに起きている。

この問題を語るのにうってつけの人材がいる。オーストラリア出身の漫才師であるチャド・マレーンだ。昨年12月に彼の著書『世にも奇妙なニッポンのお笑い』が発売された。日本と海外のお笑い文化に精通しているチャドは、この本の中で「日本のお笑いは、世界一面白い」と断言している。

日本のお笑いは海外とどう違うのか。どこがどう優れているのか。日本の芸人は政治風刺ネタをもっとやるべきなのか。お笑い界の「キーパーソン」に話を訊いてみた。

日本の笑いとの遭遇

――本書では、高校の交換留学で日本を訪れたときに日本のお笑いに目覚めたと書かれていますね。最初に日本のお笑いを好きになったきっかけは何だったんですか?

交換留学先は兵庫県の高校だったんですけど、学校に行くと、クラスで1人だけ尼崎出身の子がおって、その子がもうダウンタウンさんと同郷っていうだけでヒーローだったんですね。

あと、入学初日にいきなり同級生から「漫才っていうのがあって、ボケとツッコミに分かれていて、アホなこと言ったら『なんでやねん』って言うねんで。ちょっとやってみ」って言われたんです。

その時点では日本語も全然分からへんかったんですが、吉本新喜劇をテレビで見ていて、なんとなく日本の笑いが理解できるようになったんです。そこから入って、『すんげー! BEST10』(90年代中期、関西で深夜に放送された、千原兄弟や中川家らを輩出した伝説的なネタ番組)とかを見てました。

 

日本には、若い人による若い人向けのコメディというものがある、というのが衝撃だったんですよね。母国オーストラリアだと、コメディアンってだいたいもっとオッさんのイメージやったんで。

海外のコメディはインテリジェンスを求められるので、大学を出て、ある程度のキャリアを積んで、思想が固まってきたという人が、なんやかんやといろいろ苦労して売れる、っていうのが多いんです。

でも、当時、千原ジュニアさんとかは10代で番組のMCをやってはったじゃないですか。それに、圧倒的に芸人の人数も多いし、「ネタ」という概念も斬新やなあと思ってました。

そんな中でダウンタウンさんの『ガキの使いやあらへんで!!』が、いちばん意味分からへん番組やったんです。でも、これはなんかすごいことやってるな、っていうのが匂いで分かって。学校でもみんながダウンタウンに憧れていて、すごいすごいって言うてましたから。

それを録画してホームステイ先の兄ちゃんと一緒に見て、言葉が分からないところはその都度その都度、繰り返し聞いて理解していました。テロップもあるから、語学の勉強には日本のバラエティは最高の教材でしたね。

特に、二人のフリートークに衝撃を受けました。ネタっていうのは、練習してきたことを披露するんだからウケて当たり前な感じもするけど、アドリブ(のトーク)でおもろいって、この二人最強やん!って思ってましたね。

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