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韓国は在韓邦人を「人間の盾」にするつもりかもしれない

有事の自衛隊受け入れを認めないのなら

北の思惑通りに動く韓国

安倍晋三首相が平昌五輪の開会式に出席するため、韓国を訪問する。訪韓に反対意見も強かった中、何が首相の背中を押したのか。五輪後の朝鮮半島情勢を睨んで、在韓邦人の退避問題が重要案件になっていたからではないか。

安倍首相の開会式出席をめぐっては、自民党内に出席を促す声もあった一方、文在寅(ムン・ジェイン)政権が慰安婦問題を事実上、見直す考えを表明したのを受けて「首相は出席を見合わせるべきだ」という意見が強まっていた。

2015年12月の日韓合意後、日本側は韓国が設立した「和解・癒やし財団」に約束した10億円をすでに拠出したが、韓国側は在韓日本大使館前に置かれた慰安婦像を撤去していない。約束したような撤去する努力も見えない。

それどころか、釜山の日本総領事館前に新たな慰安婦像が置かれるありさまだ。韓国ではバスの中にも慰安婦像が置かれる異様な事態になっている。にもかかわらず、文政権は安倍首相に対して、新たな謝罪の手紙を書くよう求めた。

 

一方、北朝鮮に対して文政権は宥和路線に走っている。1月17日に開かれた南北次官級会談では、女子アイスホッケーの合同チーム結成、開会式での合同入場行進、北朝鮮の応援団・芸術団派遣、北朝鮮のスキー場で合同練習実施などで合意した。

このうち、女子アイスホッケーの合同チームは国際五輪委員会(IOC)と韓国、北朝鮮の五輪委員会、平昌五輪組織委員会の会議でチームの登録人数を北朝鮮12人、韓国23人の計35人とした。試合に出るのは22人だが、その中に北朝鮮選手が3人入る。

他の国は登録選手の上限が規定通りの23人なので、あきらかに優遇だ。登録選手が増えれば、それだけ疲労回復面で有利になる。IOCのバッハ会長は「五輪精神が双方にもたされる素晴らしい日」などと言っているが、ルール無視もいいところである。

さらに、韓国の康京和外相はカナダで開かれた北朝鮮問題をめぐる外相会議で、北への人道支援再開を繰り返し訴えた。日米などが強く反対して議長声明には盛り込まれなかったが、北の宥和路線は一段と鮮明になっている。

日本に対する慰安婦合意の追加要求と北朝鮮に対する宥和強化は「セット」になっているとみていい。北朝鮮から見れば、いずれも日米韓の北包囲網から韓国を引き剥がす効果がある。文政権はそんな北朝鮮の思惑にぴったり沿って行動しているのだ。

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