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EUの顔は独から仏へ?ダボス会議で見えた「メルケル劇場の終幕」

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またもや交渉決裂か?

1月21日、SPD(社民党)は臨時党大会で、CDU/CSU(キリスト教民主同盟/キリスト教社会同盟)との大連立に向けて交渉を開始することを決めた。642名の全国代表によるこの票決は、SPD党史に残る運命の決断だったといわれる。

採決の結果を待つ間、皆の顔がこわばった。SPDにとって、どちらに転んでも明るい未来などない「ペストかコレラか」と言われた採決である。結果(賛成362、反対279、棄権1票)が発表された時も、まるで罰則ゲームに当たってしまったかのような陰鬱さ。歓声もなく、拍手もまばら。笑顔さえなく、会場はお通夜のようだった。

口さがない野党のコメントは、「歴史的失敗」「自己欺瞞のフェスティバル」etc。はたしてこれで与党になれるのか?

〔PHOTO〕gettyimages

ドイツでは9月24日の総選挙からすでに4ヵ月が経とうとしているが、メルケル首相はまだ新政権を立てられない。昨年5週間近くも続いた第1回目のSPD抜きの連立交渉は、11月19日に決裂した。

それ以後、今日までの紆余曲折については、このコラムで何度も取り上げているのでここでは繰り返さないが、現在のドイツの政治は、議会に座っているのは新議員なのに、内閣は旧政権のメンバーのままという困った状態だ。どうにかして、1日も早く正式な政権を発足させなければならない。

そんなわけなので、冒頭のSPDの“運命の決断”のおかげで、ようやく道がつくかと皆が思ったが、どうもそう簡単にはいかないようだ。わずか2日後に、「ひょっとすると、また交渉決裂か」といった懐疑的な声が出てきた。現在のドイツの政局は、安定にはまるで程遠い状態だ。

 

SPD党内では、大連立には絶対反対という声が、今でも非常に強い。これまで2回のCDU/CSUとの大連立でSPDはボロボロになった。党のカラーはなくなり、支持率も急速に減った。これからまた4年、メルケル政権の延命のために努力するなら、まもなくSPDは存在する意味がなくなるかもしれないと危惧する党員は多い。

そこで、今回の選挙後、シュルツ党首はCDUとは対決姿勢をとることに決め、「下野して野党の雄となる」と宣言し、党員の喝采を浴びた。ところが突然、対岸で連立交渉が決裂し、SPDに大連立のお鉢が回ってきてしまったのだ。

そして、今まで、大連立が自党とドイツにとって、いかに悪いことであるかということを雄弁に語っていたシュルツ党首が、その主張を180度転換し、大連立賛成派になった。はっきり言って無理な話だ。そんな無理をなぜ断行したかというと、大連立を拒絶すれば、再選挙になるからだ。

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