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サッカー日本代表の停滞を打破するキーマン「小ハリル」の頭の中

W杯までの「あと4ヵ月」でできること

もう監督交代はできない

停滞感に包まれている。

ハリルジャパンは先月、日本で開催された東アジアE-1選手権で韓国に1-4と大敗を喫した。これまで先頭に立ってファイティングポーズを取ってきたはずのヴァイッド・ハリルホジッチ監督はライバルをしのぐだけの熱をチームに呼び込めず、また、選手を奮い立たせる策を提示できなかった。

国内組の編成とはいえ、コテンパンにやられてしまったのだから信頼が揺らぐのも当然。ロシアワールドカップまで残り4カ月というタイミングでの「監督交代」は現実的ではないとはいえ、3月に予定される欧州遠征で失地回復できなければ批判の声はさらに高まるに違いない。

チームが浮上するために重要になるのが、監督と選手の間に入るコーチングスタッフの働きである。コーチは監督の要求を選手に落とし込み、逆に選手からの反応を吸い上げる黒子役。なかでも自らを「小ハリル」と称する手倉森誠コーチがキーマンだと思えてならない。

 

コーチの役割とは何か

手倉森は2016年9月、アジア最終予選初戦のUAE戦に0-1で敗れた後に呼び戻されている。五輪代表監督がA代表のコーチに復帰するケースは初。リオデジャネイロ五輪を戦った手倉森自身も「やりがいを感じて」要請を引き受けたのだった。

手倉森コーチ(Photo by gettyimages)

その後チームは敗戦ショックを引きずることなく順調に勝ち点を積み重ねていく。手倉森もその一助となった。昨年5月にインタビューした際、自身の役割についてこのように話していた。

「たとえば我々の基本フォーメーションを、監督は4-3-3と表現しますよね。形は4-2-3-1に見えますが、前の3枚は(得点の仕事をする)フォワードだという監督の認識があります。そういった監督の考えをひとつひとつ理解したうえで、選手たちに伝えるようにしています。

縦に速い攻撃で裏を取って、カウンターで点を取るのが我々の戦術。しかし『前に行け』と言われても、当然ながらやれないケースだってあります。でも逆に『下がってくるな』とは言われてないのだから、選手に対して『前に行って降りてくるのはアリだ』と私が伝えることで彼らも工夫するようになる。

この『アリ』を増やしておくことで、戦いに幅が生まれると思っているんです」

日本人選手は監督の指示を、どうしても忠実に守ろうとしがちだ。うまくいかなくてもやみくもにこなそうとするだけでは効果がない。

手倉森はその潤滑油になろうとした。外国人監督と日本人選手の間に立って相互理解を深めるサポートに努め、監督の狙いと日本人の気質を踏まえて選手にアドバイスを送った。