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医療・健康・食

アスパラガスには驚きの「媚薬効果」があった

あの『カーマ・スートラ』にも登場

意外な薬用効果

ここのところ、野菜の強烈な値上がりが家計を苦しめている。昨秋の天候不順が尾を引いて、葉物やダイコンなどは平年の2倍以上の価格で店頭に並んでいる。

そんななか、葉物に比べれば値上がりが控えめな食材として、買い物客の目にとまるのがアスパラガスだ。メキシコやオーストラリアからの安定した輸入があるため、比較的安価で手に入る。

 

このアスパラガス、もともとは南ヨーロッパが原産で、日本にやってきたのは18世紀にオランダ貿易が盛んだったころ。最初日本に持ち込まれたときは「西洋ウド」などと呼ばれ、食用ではなく観賞用として扱われた。

そもそも私たちが食しているアスパラガスは、若い芽が地上に顔を出したばかりのもの。成長すれば2m程度の木になり、葉に見える枝を茂らせる。その姿を愛でたのだ。

一方、中世ヨーロッパでは当たり前のように食卓に並んでいたという。食用として扱われるだけでなく薬用効果もあるとされ、その強い利尿作用から膀胱炎や結石の防止、坐骨神経痛などに効くとして重宝された。

さらにさかのぼると、古代ギリシャ・ローマ時代にもアスパラガスが栽培されていた記録が残っている。特にギリシャでは、アスパラガスは「媚薬」として愛の女神・アフロディーテに捧げられるなど、宗教上の儀式に用いられたとか。

実はアスパラガスの媚薬効果は西洋だけで信じられていたわけではない。4世紀に書かれたインドの性典『カーマ・スートラ』にも、「マンネリ気味のカップルにはアスパラガスのペーストを混ぜた牛乳が愛の活性剤になる」とある。

なんとなくその形状が性的なものを連想させるだけなのでは……。と邪推してしまうところだが、科学的な根拠がある。特にアスパラガスに豊富に含まれるアスパラギン酸は滋養強壮効果があるとされ、栄養ドリンクにも配合されているのだ。

アスパラガスはほかにもビタミンAやE、鉄分などの栄養素が豊富だ。野菜高騰を機にぜひ積極的にいただきたい。(嶋)

『週刊現代』2018年2月3日号より