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日本人にとって「ウソ」とは何か? 偽ニュース大氾濫時代を再考する

米大統領は年2000回以上ウソをつく

「ウソ」には「ウソ」の歴史がある

インターネット上、とくにSNSにおいては、政治問題から社会や芸能、科学や医学の領域にいたるまで、デマ・ツイートは多くの人に信じられ、いったん広まると回収が困難である。

虚偽や誤報の発信者は無名の個人にとどまらず、政治家や識者、ニュースメディアが振りまくこともある。

ウソやデマをつく人物は、現在では批判の対象にしかならない。

しかし、「ウソ」という日本語は本来どのような意味を持っていたか、“ウソつき”はその人格を否定される存在だったのか。

フェイクニュースと聴衆といった問題を考えるために、ここでは日本における「ウソの歴史」を取りあげてみたいと思う。

まずその前に、今日的かつ世界的な“ウソつき”像を紹介しておこう。

 

トランプ大統領のウソ「1年2140回」

アメリカ合衆国のトランプ大統領は今年に入り、“フェイクニュース大賞”を発表した。

トランプ氏が、事実ではないとみなして選んだ報道は11にのぼる。第1位は、一昨年に行われた大統領選挙で自身が勝利した際、「これで経済は決して回復しない」と報じたニューヨーク・タイムズの報道である。

日本にかかわるものでは第6位に、トランプ氏が来日した際、池のコイにエサを一気に与えている映像を流したCNNの報道が入選。この件にかんしては、「実際は、日本の首相がエサのやり方を指導した」とコメントを加えている。

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トランプ氏はツイッターで、「偏向し、不公正な報道やフェイクニュースの1年だった」と回顧し、「この賞への関心の高さと重要性は、誰もが予想していた期待をはるかに超えている」とつぶやいた。

一方のメディアの側ではワシントン・ポストが、トランプ大統領が政権発足から1年間でついたウソや誤解を招く主張は、2140件に上ったと報じた。これは、1日平均で5.9回に上る計算になる。

トランプ氏のウソの多くは、原稿なしの演説やツイッターで多くみられ、誤りを指摘されても続けることが多く、「繰り返せば本当らしく聞こえると考えているのだろう」と同紙は指摘する。

いずれにしても、トランプ大統領をめぐるフェイクやウソにおけるリテラシーは、決して高いものとはいえないだろう。

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