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ライフ 週刊現代

全国で急増中!親が隠した「実家の現金」がゴミ処分されちゃった…

業者に頼むとネコババされるケースも

1年間で拾われる現金は177億円。約3割は持ち主の元に戻らない。最近、そうした持ち主不明の現金が増えている。実家の後始末の際に、捨てられてしまうからだ。あなたの実家にもきっとある。

栄養ドリンクの箱から札束が

昨年4月、4251万円もの現金が、群馬県沼田市の廃棄物処理会社の敷地で見つかった。その経緯はこうだ。

「現金は民家の解体の際に出てきたものです。家主が亡くなって、遺族から解体業者に依頼があった。解体の際には、家の中を片付けてから発注されるケースと、亡くなって家財道具がそのままに近い状態で依頼されるケースがあります。

今回の件は後者でした。作業員は手作業で金属やガラス、紙類などに分類していきます。それから処理場に運ぶのです。

現金は、栄養ドリンクの入っていた紙箱の中に保管されていたといいます。ずっしりとしていたため、中身が入っているものと考えられ、解体現場ではガラス類として分別していたようです。

ところが、処理施設に持ち帰ってから箱を開けたところ、きれいに揃えられた1万円札がぎっしりと詰まっていた。最近では使われなくなった昭和の時代の紙幣もあり、作業員たちは『何か犯罪に関係があるカネではないか』と気味悪がっていたようです」(地元記者)

見つけたのは、63歳の男性作業員。このことが報じられると、大手メディアの取材陣が殺到した。地元記者が続ける。

「群馬県警沼田署には『私のものではないか』という問い合わせが複数あったといいます。結局、51歳の男性会社員のものと判明。

父親の自宅を取り壊した際に、保管されていた現金ごと廃棄物として処分してしまったとのことでした。県警も帯封に記された日付と故人の銀行口座を照らし合わせるなど、入念な確認作業を行った上で返還しています」

落とし物を拾った人間は、落とし主から5~20%の「報労金」を受け取る資格がある。廃棄物処理会社の社長は本来の持ち主から受け取った金額の約1000万円を沼田市に寄付した。

ゴミ処分施設で現金が見つかるケースが全国各地で急増している。昨年だけでも沼田市の他に、石川県加賀市や奈良県御所市でそれぞれ約2000万円、福島県田村市では約1000万円の持ち主不明の現金がゴミ集積所やゴミ処理施設で見つかった。

 

背景にあるのが、「親との別居」だ。別居している高齢の親が亡くなった際、実家の処分を業者に丸ごと任せてしまうために、親が子供に内緒で隠していた現金が一緒に捨てられてしまうのだ。

千葉県船橋市に住む黒木文彦さん(仮名・74歳)は間一髪のところで、親の現金を救い出した。

「4年前、母親が亡くなり、父親が介護施設に入居したので、実家を売却することになりました。

更地にするために、業者から見積もりを取ったところ、家財道具の整理と処分で250万円、家の解体で200万円ということだった。だったら、荷物の整理と処分は自分たち夫婦でやると決めたんです。

実家の近くには弟が住んでいて、現金をすでに持ち出しており、目につくところに金目のものはなかったのですが、丁寧に片付けていくと、出るわ、出るわ。最初に見つかったのは香典返しの封筒からでした。

カラだと思って捨てようとしたら中から1000円札がどんどん出てくる(千葉県の一部地域では香典返しに現金を包む習慣がある)。中身が入ったままの封筒が菓子箱の中に30通も入っていました」

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