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医療・健康・食 ライフ 週刊現代

もう一度知っておきたい、「奇跡の食品・納豆」その驚きの効果

血液サラサラ、がん予防にも

日本人の「ごはんのお供」の定番。だが、食卓でよく見かけているわりには、私たちは意外とその「全貌」を知らない。健康への効果、保存方法、食べ方……あらゆる観点から、納豆のすべてを明らかにする。

血栓を溶かす強力な効果

「納豆はすべての食品のなかで唯一、血栓を溶かす力を持った食品です。しかも、実験用の人工血栓なら一瞬で溶けるほどの強力な力を持っている。それゆえ、脳梗塞や心筋梗塞を予防する効果は非常に大きいのです。

しかし、これは納豆が持つ健康効果の一端にすぎません。納豆はほかにも、腸内環境の改善、殺菌作用、骨を強くする機能など様々な効果を持っています。私は納豆を研究し始めて30年を超えますが、この食品が秘めた力にはいまでも驚かされています」

こう語るのは、医学博士の須見洋行氏。同氏は長年にわたり納豆の研究を続け、'82年には納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」という酵素を発見した。いわば「世界一納豆を知る男」である。

 

須見氏が語る通り、納豆は近年も様々な研究に基づいて新たな効果が発見されており、その効果は多岐にわたる。

そのため、この食品の「全貌」については意外と知られていないが、実に驚くような健康効果を秘めているのだ。

ここでは、その効果の全体像をご紹介しよう。

●脳梗塞、心筋梗塞を予防する

まずは、脳梗塞と心筋梗塞を予防する効果。日本人の死因のトップ5のうちの2つだが、納豆による予防効果が明らかになってきた。

納豆をよく食べる食習慣を持つ人は、そうでない人に比べて、脳卒中(脳梗塞、脳出血の総称)で亡くなる割合がおよそ3割も低くなる――こんな研究の結果が、アメリカの臨床栄養学の学術誌『American Journal of Clinical Nutrition』に掲載されたのは昨年2月のこと。岐阜大学の永田知里教授らのチームによる研究だ。

岐阜県高山市で約3万人の住人を対象に、食生活についてアンケート調査を実施。16年間にわたって追跡調査を行った結果、納豆の摂取量が多いグループは、少ないグループに比べて循環器の疾患による死亡率が低いことが分かった。

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なかでも脳卒中、とくに脳梗塞による死亡のリスクが大きく低下していることが明らかになったのである。なぜなのか。

「脳梗塞や心筋梗塞は、血液の塊である血栓が血管に詰まることによって発症します。血管が詰まった先に血液が回らなくなり、細胞が壊死してしまう。

納豆に含まれるナットウキナーゼは、前述したように一度できてしまった血栓を溶かす強力な作用を持っており、それが脳梗塞などの予防につながっているのです」(前出・須見氏)

こうした納豆の効果によって、岐阜大学のチームの研究結果が生じたと考えられる。