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年間1億円も稼げる「シリコンバレー流」不動産投資のイロハ

大事なのは「M&A」の視点です
黒木 陽斗 プロフィール

金の卵を生むガチョウは殺すな

『イソップ寓話』にある、金の卵を産むガチョウの話をご存知だろうか? 

ざっくり説明すると、あるところに金の卵を産むガチョウを見つけた農夫がいて、卵を売ることで金持ちになった。

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しかし、農夫は1日1個しか卵を産まないガチョウに次第に物足りなさを覚える。きっと腹の中には金塊が詰まっているのだろうと考え、ガチョウの腹を切り裂いた。ところが腹の中に金塊はなく、その上ガチョウまで死なせてしまったというストーリーだ。私は、不動産の売却を考えるとき、いつもこの話を思い出す。

ここでも、M&Aの例から見ていこう。企業がM&Aで所有した企業や事業を売却するとき、そこには明確な理由が必ず存在する。現金を得て別の投資を行なったり、財務状況改善等の目的があって現金化するのだ。

一方で、一般の投資家は、単に値段が上がったから売却するケースが多い。つまり、現金を得るという目的だけで売却し、得た現金をどうするのか考えるケースが多い。

一般的に不動産を売却して儲かる時期というのは、安値で購入することが難しい時期でもある。したがって、売却目的が曖昧だと得たお金の運用先が見つからないという場合が多い。これでは、先の「ガチョウの腹を切り裂いた」状態と同じである。

 

不動産投資においても、明確な売却理由が必要だ。地方から都市部の高価な物件に買い替える、中古だけでなく新築物件へ投資する、売却で得た資金で信用をアップして、融資金額を延ばしてより大きく、複数の物件に再投資する(「金の卵を生むガチョウ」を増やす)。あるいは、次の投資時期を考慮した上で、現金を別に運用するのでもいい。

行き当たりばったりで行動すると、売却の際の税負担も大変なものになる。結局、税金を払うために売却したようなことになってしまったり、売却益の運用先が見つからず、お金が塩漬けになってしまったことに気がついたりしても、金の卵を生み続けてくれたガチョウは生き返らないのだ。

適切な物件選びは「融資」にも有利

多くの金融機関でも、「M&A」や「デューデリ」の発想を応用した不動産の評価がされている。現在価値、将来価値、所有期間中のキャッシュフローがよい物件は金融機関にとってもリスクが低く、融資審査を通しやすい。

いくら投資家にとってよい物件でも、融資が通らず購入資金を調達できなければ購入はできない。逆に、金融機関にとってよい物件でも将来価値が下がってしまうような、投資家にとってはよくない物件も存在する。

自分のためによい物件で、お金を出してくれる金融機関にとっても優良な物件であるとき、初めて長期安定した不動産運営が可能となる。このような関係を構築できれば、続けて金融機関から融資を得て、資産を増やしていけるのだ。長期安定した運営を行なえば、格付けという信用が上がって、さらに融資しやすい状況になることは企業とまったく同じである。

つまり、不動産投資は購入しただけでは終わらない。毎年の決算書は、「投資家としての通知表」だ。よい成績を上げ続けるためにも、本稿で記した「シリコンバレー流」不動産投資術のイロハを参考にしてほしい。

不動産投資に限らず、「生きたお金の使い方」を説いた、黒木氏の著書