トランプ政権

暴露本騒動でバノンを切った「トランプの米国」との正しい付き合い方

今春以降の朝鮮半島危機に備えるために
歳川 隆雄 プロフィール
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そうした想いに取りつかれている中、

(2)続く12月21日発売の有力誌『バニティ・フェア』にバノン氏インタビューが掲載され、「トランプ政権が4年間もつ確率は30%」、「トランプが2020年(の大統領選)に立候補しなければ自分が立つ」などと発言、トランプ氏との亀裂を深めていったのである。

そして今回の『炎と怒り』で堪忍袋の緒が切れたのだ。

はたしてバノン氏はそこまでしてトランプ氏との盟友関係に終止符を打つ覚悟があったのか。どうやら自分には強力な後ろ盾がいるから、トランプ政権に超保守派の立場から何を言っても大丈夫だという驕りがあったようだ。

具体的には、共和党への巨額献金者で知られる極右のロバート・マーサー氏(71歳)のことだ。

 

それでも安倍首相は「トランプ離れ」してはいけない

コンピューター技師出身の同氏は、著名なヘッジファンド「ルネッサンス・テクノロジーズ」を立ち上げ、コンピューター(AI)を駆使して運用に成功を収めたことで知られ、金融専門紙『バロンズ』の特集「ヘッジファンド・トップ100」で6位に選ばれたことがある大富豪(個人資産1100億円以上とされる)である。

2016年度の共和党への献金総額は2250万ドル(約25億円)に達し、同年秋の米大統領選時にはトランプ陣営に巨額な選挙資金を提供している。

と同時に、娘のレベッカ・マーサー氏と共に件のブライトバート社の大株主でもあり、このマーサー父娘によってバノン氏は引導を渡されたというのが真相である。

[写真]バノン氏の後ろ盾だったロバート&レベッカ・マーサー父娘バノン氏の後ろ盾だったロバート&レベッカ・マーサー父娘

そしてバノン氏の表舞台からの退場によって、今後トランプ大統領は共和党執行部のミッチ・マコーネル上院院内総務との関係修復が進み、11月の中間選挙に向けて党内求心力を回復すると思われる。

安倍首相は「トランプ大統領との間で信頼関係を確固たるものにするのは私の責任であろうと思います」と、7日のNHK「日曜討論」で述べた。

であれば、安倍首相はたとえ「品性に欠ける」にしても同大統領とさらに強固な信頼関係を築き、日米同盟をこれまでになく十全に機能させることが、文字通り死活的に重要であることを再認識することが求められる。

なぜならば、今春以降に日本の安全保障を根幹から揺るがすような極めて重大な局面が到来することになるからだ。

もちろん、米朝軍事衝突の可能性である。

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