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野球 週刊現代

日本ハム栗山監督がいま明かす「大谷との5年間、清宮とのこれから」

異次元の人材はこう育てる

あのドラフトでの強行指名からはや5年。手塩にかけて育て上げた二刀流エースをメジャーへ送り出す日がついにやってきた。だが、この男に感傷に浸っている暇はない。今度は、高校野球史上最高の怪物打者を迎え入れることになったのだから。

水さえあげれば育つ

「まずはいじらないこと。そのことは(スタッフ全員で)徹底しています」

高校通算111本塁打のドラフト1位ルーキー・清宮幸太郎(18歳)を、どう育てるか。単刀直入に切り出すと北海道日本ハムを率いる栗山英樹から冒頭の答えが返ってきた。

「あれだけ良いタネで土壌もいいわけですから。ちゃんと水をあげていればスクスクと育つはず。変な化学肥料さえあげなければ……」

タネとは素材、土壌とは球団の育成環境ということだろう。化学肥料は余計な口出しか。

昨秋のドラフト前のことだ。TBSの人気番組『サンデーモーニング』で張本勲がおもしろいことを言った。

 

「(清宮がドラフトで)自分のところに来てくれるなよ、と思っているバッティングコーチはいるはずですよ。

(あれだけの素材だから)教えることも難しいし、いじくって失敗したら自分の責任になりますから。皆、口には出さなくても、心の中ではそう思っているかもしれませんね」

いじれば「教え過ぎ」と批判され、黙って見守っていたら「無能」と陰口を叩かれる。コーチとは割に合わない仕事である。それがわかっているからこそ、栗山は最初に約束事を決めたのだ。清宮とともにコーチをも守るために。

その一方で、鉄は熱いうちに打ったほうがいいという意見もある。

今は亡き荒川博が一本足打法を伝授していなかったら王貞治の通算ホームラン数は868本に達していなかっただろう。

同様に長嶋茂雄が「4番1000日構想」を掲げ、松井秀喜に英才教育を施していなかったら、ワールドシリーズでMVPを獲得するほどのスラッガーに成長することはなかっただろう。

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だが栗山は清宮に〝師匠〟は不要だと考えている。既にしてかなりのレベルに達していると判断しているようだ。

「打つ能力は問題ないと思っています。皆さん、高校通算111本のホームランのイメージをお持ちでしょうが、僕は、彼はアベレージヒッターだと考えている。

たとえば大谷翔平(23歳)と比べてみましょう。彼は腕をグァーっと使うけど、幸太郎はハンドリングが柔らかく、手をコンパクトに使うこともできる。それでいて飛距離も併せ持っている。

天性のホームランバッターというだけでなく、将来的には三冠王も狙えるタイプだと思っています」

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