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『スター・ウォーズ』ヲタの市川紗椰がハマった神話の世界

「市川紗椰が現代新書を読んでみる」

モデルの市川紗椰さんが、毎月数冊刊行される講談社現代新書の中から特に読みたい本を一冊を選び、読んでもらう新連載「市川紗椰が現代新書を読んでみる」。

2017年12月刊は、西部邁『保守の真髄』・山本譲治『炎の牛肉教室!』・後藤明『世界神話学入門』・鈴木達治郎『核兵器と原発』の計4冊。連載第1回目となる今回、市川紗椰さんが選んだのは『世界神話学入門』でした。

私が神話に魅かれる理由

第1回目ということで、どのタイトルを選ぶか結構悩みました。牛肉がとても好きなので『炎の牛肉教室!』にしようかとも思ったのですが、最終的にテーマに惹かれて『世界神話学入門』を選びました。帯が知的で素敵ですよね。ちなみに『炎の牛肉教室!』の方も楽しく読んでます(笑)。

ジョーゼフ・キャンベルの『神話の力』という本がありますが、この本を中学生の時に読んでいて、2~3年前にも再読しました。中学で流行ってたんですよね。たしか『スター・ウォーズ』エピソード1~3の映画が上映されていた頃だと思うんですけど、この本の中に『スター・ウォーズ』と神話の関係に触れている部分があるんです。とても興味を持ったことを覚えています。

小・中学生の頃はアメリカに住んでいたのですが、アメリカは18世紀になって建国された新しい国なので、いわゆる「太古の神話」みたいなものがないんです。ネイティブ・アメリカンの神話はいっぱいあるんですけどね。日本には『古事記』や『日本書紀』に書かれているような神話があり、そこがアメリカとの大きな違いですね。

『世界神話学入門』の主要なテーマである「世界中の神話には共通点がある」という指摘にはとても興味を持ちました。たとえばギリシャ神話だったら物語やキャラクターにも馴染みがありますが、世界中の地域でそれぞれ少しずつ異なった神話が語られている。具体的なエピソードもたくさん記されていて面白かったです。

冒頭の1~2章で、人類の移動と神話の類型の相関関係を科学的に追跡しているのですが、ここは読んでいてとても新鮮でした。神話は科学的に説明できないものを説明するものじゃないですか。それを、遺伝子やDNAの技術を使ってその起源を解析しようとする。神話に対するイメージとは対極的な話から本書は始まっているんですね。

その後の3章以降で、この本の大きな軸になる「古層ゴンドワナ型神話」と「新層ローラシア型神話」の2つの類型について説明がされています。ゴンドワナ型は、ストーリー性がなくて人類の原型的な思考が反映されている神話。ローラシア型は、世界や人類の究極の起源を問い、全体的に物語性の強いものが多い神話です。

 

ゴンドワナ型は脈絡がない話が多いと書かれているものの、シンプルで面白い話が多くて「へ~!」って思いながら読み進めました。たとえば、太陽が子供を食べるみたいな神話の紹介があって、ここが印象に残ったのか本に折り目をつけてます(笑)。太陽の暴力的な感じが気になったのかな。神話って、割と暴力的な話が多いですよね。

ほかにも、人間が土中から出てきたとする神話が世界中にあるという話に「?」と思ったり。奇妙な内容のものが多くて、答えになってないなと感じるものもありますね。でも、月とか動物とか、多様なキャラクターが出てくるのは面白かったです。