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ライフ

「スローセックス」から10年。アダム徳永がようやく見出した答え

1000人と交わりをもつなかで

身勝手なセックスにうつつを抜かしていた男どもに衝撃を与えた、アダム徳永氏の提唱する「スローセックス」。著書は累計100万部を超え大ブームとなったが、自らスローセックスを実践し続け極めた結果、その先の新しい世界に到達したという。その新世界に到るメソッドが、『男は女を知らない 新スローセックス実践入門』として一冊にまとめられた。

「ジャンクセックス」をやめなさい

私は「スローセックス」を提唱し、男女の理想とするセックスの啓蒙活動を続けてきました。なかでも『スローセックス実践入門――真実の愛を育むために』は、ベストセラーとなり多大な反響を呼びました。

あれから早10年が過ぎました。おかげさまでスローセックスは静かに浸透し普及しつつあります。私にとってなによりの喜びです。

私は、射精を目的とした男性本位のセックスを「ジャンクセックス」と呼んで批判してきました。

前戯もそこそこに挿入し、激しいピストン運動をして果てる。女性の性器を借りたマスターベーションであり、男性の性欲処理のための稚拙なセックス、それがジャンクセックスです。女性がこんなセックスで気持ちよくなれるはずはありません。しかし、かつてはそれが「フツー」でした。

スローセックスはそれとは対極に位置する、まさに男女が双方向に、カラダを通して愛し合うためのセックスです。男女がいたわり合いながら、ゆっくり時間をかけてともに官能の絶頂に到達するための考え方とメソッドです。

私は、「スローセックスは神さまからのギフトである」と言っています。

有名になった7つの「レインボーキス」、「アダムタッチ」を用いた全身への愛撫、クリトリスと性感スポットの愛撫、6つの基本体位を駆使した交接のルービックキューブテクニック……そうしたスローセックスのメソッドは、確かに私が開発しました。しかし自分が研究し創造したという実感はありません。古今東西の万巻の書物をあさって、性の奥義を探求したわけでもなければ、なにか特殊なトレーニングを積んだわけでもないからです。

女性たちの様々な反応を目の当たりにしながら、「こうじゃないかな……」と思って実践しているうちに、「何となくわかってしまった」というのが正直なところです。官能する無数の女性たちから教えてもらった、というのが、私の率直な実感です。

 

私は、そんなスローセックスのメソッドに普遍性があるのか――つまり、誰がやっても女性を官能させうるものなのか――「スローセックスの効果」を実証する必要性を感じました。「アダム徳永」としての活動を開始し、初めてセックスのメソッドに関する本を世に送り出したのが2003年のことでしたが、それ以降も研鑽を重ね、1000人以上の一般の女性とセックスをしました。

男性が聞いたら「羨ましい」と思うかもしれません。とんでもありません。私にとってそれは過酷な修行でした。

日々、4時間5時間かけて“フルコース”のスローセックスを続けたのです。たとえるなら、1000日間、毎日48キロの険しい山道を踏破する千日回峰行の阿闍梨のようなものでした。容易ではありません。精根尽き果て、最後は肝臓の病気を患い、死に直面したほどでした。

しかしその過程で、私はセックスで女性が快感に歓喜し絶叫する、「最高の官能美」を見続けてきました。女性の底なしのオーガズムを目の当たりにする度に、男として嫉妬し、神さまに文句を言ったくらいです。

私は、女性を極限のオーガズムに誘うことができます。手をかざすだけで女性を感じさせることができます。ただ抱いているだけで女性をイカせることができます。離れたところにいる女性を遠隔で官能させることができます。これらはいずれも、スローセックスのメソッドを探求する過程で獲得した能力です。

しかし、女性を極限のオーガズムに誘ったり、女性を“気”の力で官能に誘ったりすることは、私だけの特別な才能ではありません。私が思うところ、これは生命体としてのヒトにもともと備わっているものであり、スローセックスのメソッドを習得することで、男性はみな、その能力を発揮することができるようになるのです。