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新年早々ヘリが2回も不時着…米軍の驚くべき「戦力ダウン」

これは本土でも起こりうる問題だ
半田 滋 プロフィール
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しかし、米軍は部隊交代の際、航空機やヘリコプターを含む武器ごと帰国し、新たに赴任する部隊は自分たちの武器を本国から持ち込むのが当たり前となっている。塩害があるとすれば、米本土駐留の海兵隊のヘリにも現れるはずではないのか。

米海兵隊の運用に詳しい屋良朝博元沖縄タイムス論説委員は「沖縄の海兵隊はコスト削減のため、1990年代から航空機やヘリを沖縄に置きっぱなしにして、兵員だけ交代しています。これにより機体の老朽化と塩害という二重のダメージを受けている」と解説する。

 

原因不明でも「すぐに飛行再開」?

事故の原因がぼんやり見えてきたように思える。

「長期間に及んだ米国防費の強制削減による予算不足」→「予算不足によって部品供給が滞り、訓練不足や整備不足に直結」→「沖縄独特の事情である機体の老朽化と塩害による腐食」

これらが相次ぐ事故やトラブルの背景にあるのではないだろうか。

すると、米海兵隊が飛行を再開するには抜本的な対策が必要となる。訓練不足は訓練によってしか補えず、その間、同様の事故やトラブルが発生する可能性は排除できない。また老朽化した機体は新しい機体と交換するほかないが、予算不足からただちに新しい機体が供給される見通しとはならない。

これらの難問を日米両政府は抱えることになるが、心配なのは「米軍の見切り発車」と「日本政府の米軍言いなりの姿勢」である。

昨年8月に防衛相に就任した小野寺五典氏は、同月オーストラリアで起きた普天間基地所属のオスプレイの墜落事故から間もなく飛行再開を容認、10月に沖縄県東村で起きたCH53ヘリの不時着炎上事故、12月に起きたCH53ヘリの窓枠落下事故後にも、すぐに飛行再開を容認している。

いずれも事故原因は明らかになっていないにもかかわらず、飛行再開を急ぎたい米軍の希望に沿って決断を下したことになる。

米軍は日米安全保障条約にもとづき、日本や極東の平和と安全のために日本に駐留している。沖縄で相次いだトラブルは本土でも起こりうる。沖縄の問題を「対岸の火事」に矮小化してはならない。

安倍晋三首相が言う「深化した日米同盟」の真の姿とは、米国の言いなりになることではないはずである。

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