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大相撲行司セクハラ事件、式守伊之助の言い訳に潜む「2つの問題点」

人権よりも協会ルールが大事なのか
原田 隆之 プロフィール

「内輪のルール」を重んじる違和感

今回の事件で、やはり気になるのは被害者のことである。

本人には処罰感情はなく、被害届も出さない意向だと報じられているが、果たしてこれが真意なのだろうか。

まさにドラマのように、「君の前途を考えると、事を荒立てないほうが身のためだよ」などと、パワハラが行われたのではないかと勘繰ってしまう。

しかも、相撲協会側としては、それがパワハラなどとは露ほども思っておらず、「本人のための措置」などと本気で考えて、こんな対処をしそうである。

〔PHOTO〕gettyimages

公表が1ヵ月も遅れたことに関しても、一部で疑惑が報じられている。

現時点で明るみになったのは、内部からメディアに対するリークがあったためで、それがなければ協会は公表するのを控えていたのではないかということだ。協会上層部のこれまでの振る舞いを考えると、そう勘繰られても仕方がない。

暴行問題でも明らかになったのは、相撲協会というところは、法律よりも、被害者の人権よりも、協会の体面、協会のルールが至上なのだということだった。

 

だから、法律を重視して警察に被害届を出し、捜査が終わるまでは協会の聴取に応じないという態度に終始した貴乃花親方に対し、「協会への報告義務を怠った」「礼を著しく失していた」という「内輪のルール」のほうを重んじて、処分した。

処分に当たっての会見では、相撲評議員会の池坊保子議長は、「膿を出し切りたい」と強調していたが、それならば自分たち上層部が真っ先に辞任するべきだろう。

そして今回のわいせつ事件で、協会側が事を重視し、本当に反省しているのであれば、何よりも協会が事件を告発し、内輪の処分で済ませずに、司直の手に委ねるべきである。

変わるのは、そこからだ。