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郊外マンションの購入者は「人口減少・空き家時代の負け組」なのか

東京五輪後を見据えた不動産活用術
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「郊外マンションは負け組」は被害妄想

いったい「郊外」とは何でしょうか。郊外にマンションを買った方々が「負け組」になることを不安視しているのだとすると、その対義語になっていると思われる「勝ち組」の「都心」とは、どこを指して言うのでしょうか

photo by gettyimages

このことを考えるには、「昼夜間人口比率」という視点がある程度参考になると思います。ある地域において、居住者が中心となる「夜間人口」100人に対し、就業者が中心となる「昼間人口」が何人いるかを示す数値で、5年ごとに行われる国勢調査の結果から導き出されるものです。

東京23区だと、オフィスが集まる千代田区は圧倒的に昼間人口が多く(1460)、それを取りかこむように、西は新宿区(232)と渋谷区(240)、東は江東区(122)、北は豊島区(143)、南は品川区(140)までが100を超えますが、その外側の11区はいずれも100以下で夜間人口のほうが多い。

首都圏内の大都市を見ても、千葉市(97)、さいたま市(93)、横浜市(91)、川崎市(88)は100以下。夜間人口のほうが多いところばかりです。住宅地の広がる街並み、住むことが中心の街であるのが「郊外」の大きな特徴と考えると、この昼夜間人口比率から、東京23区のごく中心部以外はみな郊外と見なすこともできるでしょう。

したがって、極論すれば、マンション購入者のほとんどは郊外の物件を買っているとも言えるわけです。冒頭でも書いたように、そもそもマンションの価値をどうとらえるかは、それぞれの人生観によるのですが、仮に資産価値だけで比べるにしても、本当の都心と言えるエリアにマンションを買った「勝ち組」はごく少数の例外であって、「負け組」などと自分だけが損をしたかのように考えるのは、一種の被害妄想かもしれません。

また、最近では「郊外のなかの都心」とも言うべき性格を持つエリアが生まれ、都心と郊外をはっきりと区分することがさらに難しくなってきています。二子玉川、立川、海老名、二俣川、柏などはその代表格。

東京23区の中心部からは遠く、県庁所在地のような行政の中心でもないのに、都心並みの価格と人気を誇るマンションが誕生していて、それらが将来「負け組」のマンションになるとは到底思えません。郊外と都心の二分論は、もはや時代遅れと考えたほうがいいでしょう

2000年前後竣工のマンションに注目

東京のごく中心部以外はみな郊外とも言える、と書きましたが、そのような都心隣接エリアの「郊外化」が始まったのは1970年代のことです。職住近接の利便性をうたったマンションが増え始め、80年代にはバブル経済の地価高騰を背景にその傾向が顕著になり、90年代半ばから2000年代前半にかけて「首都圏マンション8万戸時代」と呼ばれるピークが訪れます。

この時期に販売された郊外のマンションは一般的に面積が広めで、子ども部屋が広めの間取りだったり、共用施設としてキッズルームを備えていたり、子育てを中心に考えられた居住者目線の物件が目立ちます。

とりわけ、90年代のバブル経済破たん後から2000年代前半に売り出されたマンションは、高規格で機能性の高いものが多い。なぜかと言うと、デベロッパーがこぞって商品企画に力を注いだからです。

マンション用地が豊富で安かったこともありますが、何より、バブル崩壊後のデフレ経済が続くなか、新築マンションへのニーズは減り、価格は下がっていくというのが当時の共通認識でしたから、デベロッパーは高付加価値の商品を企画することで需要を喚起しようとしたわけです。高層ビル建築が下火になり、デベロッパーが重心を集合住宅に移したことも関係しているかもしれません。

最近、新築時から時間がたって味わいが出てきて、売り出し当初から価格が下がらないどころかプレミアムがついて値上がりしている都心の好立地物件が「ヴィンテージマンション」と呼ばれ、人気を博していますが、いまご説明した郊外の高付加価値マンションも、いずれ「ヴィンテージ」と呼ばれるようになると私は考えています。

たとえば、青山学院大学の競技場跡に建てられた「グリーンサラウンドシティ」(横浜市港北区)。新築時は坪単価190万円で、現時点で築11年ながら170万円と価格を高水準で維持できています。また、「東京サーハウス」(大田区下丸子)は坪233万円で売り出され、現在は築14年で225万円と、こちらもほとんど価値を落としていません。

「アイムふじみ野」(埼玉県富士見市)、「幕張ベイタウン」(千葉市美浜区)、「ガーデンプラザ新検見川」(千葉市花見川区)なども同様。いずれも、国土交通省が主導し、国策として優良な郊外型集合住宅の整備を推し進めるなかで建てられたもので、マンションそのものが高規格であるだけでなく、プライベートガーデンがあるとか、駅からの導線が歩車分離(=歩行者用道路が確保されている)だとか、計画全体が優れているのです。

また、最近では「プラウド船橋」(千葉県船橋市)のように、周辺の商業施設などとともに一体開発され、エリアマネジメントの魅力を売りにしたマンションも出てきています。これからは運営・管理もマンション評価の重要なファクターになっていくでしょう。その意味で、プラウド船橋もヴィンテージ化する可能性が高いと考えています。実際、当社のサービス「家いくら?」の推定価格も、分譲時の価格より上昇しています。

上でご紹介した物件のうち、「プラウド船橋」以外の推定価格は分譲時より下がっているものの、月換算すると0.6~2.3万円ほどの下落幅にとどまっています。「グリーンサラウンドシティ」を例にとると、新築時から2017年12月までは、95.8m2(約29坪)の部屋に、わずか月6千円の賃料で住んでいる計算です。

ここまで見てきたように、郊外のなかに新たな都心が出現し、都心の好立地にあるはずのヴィンテージマンションが郊外にも登場するこの時代。「郊外にマンションを買ったら負け組」というのは、どうもマユツバな話だと思いませんか。

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