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郊外マンションの購入者は「人口減少・空き家時代の負け組」なのか

東京五輪後を見据えた不動産活用術
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提供/DGコミュニケーションズ

都心部のタワーマンションの価格が高止まりを続ける一方、郊外の集合住宅は空き部屋が目立ち、値下がり傾向にあると言われる。サラリーマンの会話からは、「郊外にマンション買っちまったオレって、ひょっとして負け組?」なんて声も聞こえてくる。本当のところどうなのか。

不動産広告業界に30年以上携わり、そこで蓄積された知見と大量のデータをもとに、2017年7月にマンション売却推定価格エンジン「家いくら?」を開発した、DGコミュニケーションズの石鍋紀彦(取締役・コミュニケーションデザイン本部、事業開発部管掌)氏に聞いた。

フェラーリで子どもの送り迎えができるか

最近、知人から面白い話を聞きました。「フェラーリは国産高級車より安い」のだと。

富裕層の方々は高い買い物をするとき、「セールバリュー」つまり売るときいくらになるかを計算して買うんだそうです。なるほど、確かにフェラーリなら、よほどひどい使い方をしなければ、手放すときもそれなりの値段で売れるでしょう。

国産高級車もいい車には違いありませんが、年数がたってしまうと元値の半額以上で引き取ってもらえるケースはまずない。確かに、最終的にはフェラーリのほうがお得かもしれません。

この話、お金のやり取りだけ見ていると納得させられてしまうのですが、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。皆さんはフェラーリで子どもの幼稚園の送り迎えをできますか。フェラーリで家族旅行に行けますか。もちろん、それが粋だと思う方の価値観を否定するものではありませんが。

マンションにも同じ面があると思います。「都心の駅前タワーマンションは、そこから徒歩15分の大規模マンションより安い」という見方はある意味では正しい。フェラーリ同様、セールバリューを考慮すればわかっていただけることでしょう。

売買取引するだけの資産と考えればその通りなのですが、住まう場所としてのマンションの価値は、必ずしも金銭に置き換えられるものばかりではありません。周囲の自然環境、子どもたちの通う学区、管理組合はじめ近所関係など、数え上げればキリがないほどの要素があります。

そうした多様な価値のバランスをどう考えるかは、大げさに言えば、それぞれの「人生観」によるのです。

「家余り問題」は極端な事例に気をつけて

近い将来の人口減少が確実な日本では、経済成長期あるいはバブル期に建設された住宅にいずれ過剰感が出てきて、とりわけ郊外では「家(部屋)余り」が進み、不動産価格が下落、あるいは暴落するなどと言われています。

確かに、昨今の好景気で株価や不動産価格は高止まりしているのに、郊外のマンションの価格上昇は都心部に比べたら限定的です。

でも、だからといって郊外のマンション価格がこれから一気に下落するかというと、そんなことはないと私は考えています。マンションは賃貸に出す選択肢を選びやすく、土地や戸建て住宅に比べて流動性が高い。その意味では、他の不動産より人口減少の影響を受けにくいのではないでしょうか。

現在巷で言われている「空き家問題」は、まずここ数年について言えば、極端な事例のイメージが先行している気がします。

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バブル時代に建てられたリゾートマンションが価格暴落でスラム化している、といったケースは確かにあるようですし、首都圏周縁部のニュータウンで急速に空き部屋が増えていることも事実です。

しかし、その影響がマンション売買を検討している方々のもとに現実問題として迫ってくるのはもっと先の話だと思いますし、そのころに現在と同じような市場のままで不動産取引が行われているかどうかも、私は疑問だと思っています。

そしてそもそも、マンションの価値や価格を人口減少と直接的に結びつけて考えることで、正しい答えは得られるのでしょうか。

冒頭でフェラーリと国産高級車の例を出してご説明したように、マンションは売買取引の対象となる資産であるとともに、住まうための一種の道具でもあります。人口減少で家余りの進む郊外と、人口集中の進む都心のいずれかを選ぶ、という単純なものではありません。マンションの価値や価格はもっとさまざまな要素から成り立っているうえ、その判断には「人生観」のような数値に還元できない要素も影響してくるのです。

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