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「エホバの証人の活動のなかで、最もつらかったこと」元信者が告白

私がこの漫画を描いた理由【後編】
いしいさや

母にムチで叩かれる

兄弟姉妹(エホバの証人では信者をこう呼ぶ)でエホバの教えを学ぶ集会も、訪問も、正直に言えば行きたくなかった。でも、うっかり教えに反することを口にしてしまうと、母から「おしおき」をされてしまうんです。

この「おしおき」がかなりキツい。ムチで叩かれるんです。

いまは表向きにはしないように、とはなっているようですけれど、私の子供の頃は当たり前におしおきがありました。エホバの証人は聖書原理主義。つまり、聖書の言葉を隠喩とは捉えず、そのままの意味で解釈します。聖書に「しつけにはムチで叩く」と書いてあるから、本当にムチ、正確にはムチ状のもので叩くんですよね。

 

人によってはベルトだったり、電源コードだったり。うちの母はベルトを2本用意して「細いムチ」と「太いムチ」のどちらにするか選ばせました。細いムチって、痛いんですよ。おしりをムチで叩かれると、完全にやる気を削がれます。服の上からではなく、服を脱がせたうえで直接肌に叩きつけるので刺すように痛い。

ムチで叩かれる前には、何がどうしてダメだったのかを自分で反省させてから、「お願いします」と、自分が納得していることを示します。叩かれた後には「ありがとうございました」と言わなければいけない。でもその行為の後、母は私を抱きしめて、こう言いました。「あなたが嫌いだからじゃないのよ」――。

ここまで聖書の教えにあるのですが……。「どんなムチがいいか」なんて雑談を、集会に来ていた兄弟姉妹がしているのを聞いたことがあります。

ムチで叩かれるのがおかしいと気づいたのは、小学校の中学年の頃です。他の子が親に叱られた話を聞いていると、「どうやら他の家ではムチでは叩かれてないらしいぞ」と(苦笑)。

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