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ライフ 週刊現代

「痛いのは嫌、でも笑って死ねます」瀬戸内寂聴が95歳の今思うこと

人間、結局はひとりなんだから
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ハハハと笑って、しゃべって、また笑う。御年95歳の寂聴さん。見ているこちらまで力をもらえる。どうすればそんなふうになれるんですか? 長い人生で見つけた「笑って生きる秘訣」を教えてもらった。

考えは変えていい

京都から東京までは新幹線で来ました。92歳で胆嚢がんを患った後は、しばらく新幹線に乗るなんて想像もできなかったけれど、すっかり回復しました。

食事も、毎日お肉をモリモリ食べて、お酒だって飲みます。ビールでも焼酎でもワインでも、何でも!

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今年2月には心臓の手術をしました。90歳を超えているし、手術しなくてもいいかなと考えましたけど、お医者さんから「死ぬときに痛いですよ」と言われてたちまち気が変わり、「痛いのはかなわんからぜひ手術してください」と言ってしまった。痛いのに弱いんです。カテーテルを入れて手術してもらいました。

以前はね、極楽と地獄、どちらがいいかと聞かれたら「極楽なんて退屈でつまらない」と思っていたんです。花が咲いて、食べるものがあって、努力もしなくていいなんてあまりに退屈でしょ。

それより地獄で、「青鬼が来るか赤鬼が来るか、今日の責めはどんなかな」ってハラハラしたいと散々言ってきました。

だけど、がんを患って痛い思いをして以来、「もう真っすぐ極楽に行きたい」と考えが変わった。90歳超えてからの転向です(笑)。人間なんですものね、いくつになったって、考えは柔軟に変えていいんです。

 

そう語るのは、作家の瀬戸内寂聴氏。現在95歳だが、朗らかな声で笑い、次々と話題を変えながらしゃべる姿は、驚くほど若々しい。

3年前には胆嚢がんの手術をしたが、見事回復を遂げ、'17年12月には長篇小説『いのち』を上梓した。どうすれば楽しく笑って年齢を重ねられるのか。

ここ数年病院にいることが多くて、どうしても気持ちが塞ぐでしょう。でもそこでグッと力を入れて、自分を楽しませたり笑わせたりする方法を探すようにしました。
私の場合は句集を自費出版することね。

小説やエッセイは大抵作品になっていますが、半世紀以上前に始めた俳句は、忙しさにかまけて上達できず、手元になんとか句集一冊になるくらいの作品があるだけ。それを本にまとめようと思い立ったんです。

新しい本を出せると思うと、胸が熱くなりウキウキしてきました。

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