菅財務相も騙される「ギリシャ問題」に 悪のりした増税キャンペーン「日本のほうが財政状況が悪い」なんて大ウソ

2010年05月10日(月) 高橋 洋一
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 しかし、債務残高の対GDP比で日本が大きい理由は、前回のこのコラム(「国債金利の上昇=日本国の破綻」は間違っている)で述べた。菅副総理兼財務相がいう「国債発行残高は金メダル級」を借りれば、「官僚が支配する政府資産も金メダル級」だ。

 そのうえで、ギリシャを教訓とするのであれば、日本でも公的セクター改革を行い、公務員改革や民営化等による政府資産のスリム化を行わなければいけない。郵政民営化の逆行なんて論外だ。なにより、日本では金融政策が使える。

 この10年間も続いてきた日銀のデフレ・ターゲットを直すことが先決である(このコラムの「なぜ日本経済だけが一人負けなのか」参照)。そうすれば、4%程度の名目経済成長は可能になる。

 日本の財政問題は、G7国と対して違わない(下図参照)。金融政策などのまともなマクロ経済政策を行えば、かなり対応可能だ。そのうえで、本当に必要なら増税を行えばいい。政府資産の売却や金融政策に言及せずに、一気に増税という話は、ギリシャ問題に悪のりした財政当局など財政至上主義者の増税キャンペーンでしかない。

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