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なぜ若者は結婚しないのか?コスパの悪さだけではない「日本の現実」

キーワードは「格差婚」だ
赤川 学 プロフィール

下降婚率が増えると、出生率が高まる

上昇婚/同類婚/下降婚を測定する際には、学歴(大卒/高卒/中卒、あるいは教育年数)を指標として使うことが多い。

そこで、社会科学の世界では有名な国際社会調査プログラム(The International Social Survey Programme, ISSP)の2012年版のデータを用いて、学歴上昇婚/同類婚/下降婚の国際的な趨勢を確認してみた。

この調査は、欧米を中心に48ヵ国の専門機関が共同実施しており、2012年版では「家族とジェンダー役割の変化」をテーマとしている。下降婚の比率を計算できたのは、このうち25ヵ国であった。

図2:主要国の下降婚率と出生率[筆者作成]
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もし本人学歴と配偶者の学歴に何の関連性もないならば、上昇婚率/同類婚率/下降婚率は3分の1、すなわち約33%になる。

ここで日本の下降婚率は、約16.3%である。下降婚率が20%を下回るような社会は、やはり格差婚が少ない社会というべきだろう。

日本以外では韓国(8.1%)、トルコ(9.7%)、スイス(16.0%)、チャイナ(16.3%)、台湾(17.6%)などが該当する。

 

逆に下降婚が3分の1を大きく上回る社会も存在する。

ベネズエラ(45.2%)、ポーランド(38.0%)、スウェーデン(37.0%)、クロアチア(35.4%)、フィンランド(34.8%)、リトアニア(33.3%)、インド(33.1%)などである。ちなみにフランスも30.6%でかなり高い。

ちなみに下降婚率と出生率の関連を、相関係数という統計学の指標でみると、0.370となり、中くらいの相関がある。つまり下降婚の多い国では出生率が高いという傾向が、統計上も確認できるわけである。

なぜ下降婚率が増えると、出生率が高まるのか。

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