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国際・外交 テロ 週刊現代 アメリカ

トランプを悩ませる「テロ」「ロシア」「支持率」問題の行方

再選の見込みはなさそうだし…
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「ISシンパ」が命を狙う

クリスマス・シーズン真っ只中のニューヨーク、タイムズスクエア付近の地下通路。ここで12月11日、バングラデシュ出身のアカエド・ウラー容疑者(27歳)が、パイプ爆弾を自分の身体に巻き付け、爆破を試みた。

「バーン!」

地下通路に激しい爆発音が鳴り響き、あたりは騒然となった。

幸い完全には引火せず、ウラー容疑者は重傷を負ったものの、3人の通行人が軽傷を負っただけだった。

アメリカの報道によれば、ウラー容疑者は、トランプ大統領が6日に署名した大統領令に恨みを抱いた可能性があるという。

それは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3宗教の聖地で、複雑な環境を持つエルサレムをイスラエルの首都と認定し、アメリカ大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転させるという内容だ。

この大統領令が出されて以降、16億イスラム教徒が、トランプ大統領に対して怒りを露にしているのだ。

軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が解説する。

「'18年は、ウラー容疑者のようなイスラム系青年がトランプ大統領暗殺を企てるケースが増えるでしょう。

12月9日にイラクのアバディ首相が、IS(イスラム国)に対する最終的な勝利宣言を行いましたが、ISシンパのイスラム系青年たちは、世界中に広がっています。特にアメリカ国内には、イスラム系移民の息子でISシンパの青年たちが大勢います。

彼らは普段から、大それたことをやってやろうと企んでいるので、トランプ大統領は絶好の標的なのです」

黒井氏によれば、こうした危険なイスラム系青年たちを取り締まれない理由は2つあるという。

「第一に、彼らは大きなテロ組織に属しておらず、個人で動いているので、FBI(連邦捜査局)が取り締まりにくい。第二に、テクノロジーの発達によって、個人でハイテクテロが可能になったからです。

トランプ大統領の演説会場にドローンを飛ばして爆破させるといったハイテクテロが、今後起こってくるでしょう」

 

テロの他にも、トランプ大統領は、就任してまだ1年も経っていないというのに、大ピンチを迎えている。いわゆるロシアゲートだ。

ロシアゲートは、'16年11月の大統領選挙にロシア政府が介入し、トランプ陣営と癒着していたとされる疑惑。この疑惑が事実ならば、トランプ大統領を誕生させたのはプーチン政権ということになり、「世紀のスキャンダル」だ。

トランプ大統領は、こうした疑惑をフェイク・ニュースとして完全否定している。

だが12月1日には、疑惑を捜査しているモラー特別検察官が、トランプ大統領の最側近の一人だったフリン前大統領補佐官を訴追した。

ロシアゲートでの訴追は、トランプ大統領陣営の選対本部長を務めたマナフォート被告らに続いて4人目。ついにホワイトハウスの元高官にも捜査のメスが入ったのだ。

さらにトランプ大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏も6日、連邦議会下院の情報特別委員会で、証言を迫られた。今後は、トランプ大統領の最側近である娘婿のクシュナー大統領上級顧問にも捜査の手が伸びる可能性がある。

トランプ大統領は、ロシアゲートを乗り切ることができるのか?

ボストン大学のビル・グライムス国際関係学部長が語る。

「今後の最大のポイントは、クシュナー大統領上級顧問が起訴されるかどうかですが、おそらくこの件では起訴されないでしょう。犯罪行為にあたる具体的証拠が出てくるとは思えないからです。

すなわち、トランプ大統領はロシアゲートをなんとか乗り切る

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