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あなたの住宅ローン選びが根本的に間違っているワケ

住宅は見るのにローンは見ない人へ

住宅選びは、立地や建物、仕様・設備、そして間取りプランなどについて勉強した上で、何件もモデルルームや住宅展示場を回ってからようやく決めるもの。ところが、それで疲れ切ってしまうのか、「住宅ローン選び」については無頓着な人が多いのではないだろうか。

「当社の物件には提携ローンがついていて、どこよりも金利が低く、融資割合などの条件も有利です」「このお勧めローンならお客さまの年収であれば余裕で返済できますよ」などといわれて、不動産会社、住宅メーカー、仲介会社の営業担当者の言うままに決めている人が多いのが実情だ。

でも自分で探してみれば、それより有利な条件のローンに出会える可能性も少なくない。先入観を捨てて、いろんな角度から住宅ローン探しを実行すれば、手間をかけた分お得なローンに巡り会えるはずだ。

3割以上は業者のいいなりに決めている

図表1をご覧いただきたい。これは、住宅金融支援機構が民間住宅ローンを利用してマイホームを買った人を対象にした調査から、利用した住宅ローン選びに当たって、どの媒体などの影響が大きかったのかを聞いた結果を示している。

最も多かったのは、「住宅・販売事業者」の31.0%で、以下、「インターネット」(16.3%)、「金融機関」(12.6%)、「クチコミ」(9.0%)などとなっている。自分でインターネットを使って調べたり、金融機関で相談したりしている人もいないではないが、「住宅・販売事業者」のいうままに、何の疑いもなく利用している人が主流派といわざるを得ない。

 

実際に、著者がインタビューした住宅購入者のなかには、「業者が勧めるローンを使わないといけないと思っていた」「自分で見つけてきたローンをつかってもいいとは知らなかった」「業者が『うちの提携ローンがどこよりも金利が低いですよ』というのを信じてしまった」という人が、かなり存在する。

完全に、住宅・販売事業者のペースに巻き込まれてしまい、疑いさえ持っていない人もいるほどだ。

業者の勧めるローンが一番いいとは限らない

言うまでもないが、住宅・販売事業者の勧めるローンが一番いいとは限らないし、自分で探してきた住宅ローンを使っても一向にかまわない。

仮に提携金融機関のローンを利用しないと契約できないといったことをいった場合は、そんな業者から不動産を買うべきではないだろう。現実に、自分で取引実績のある金融機関を回ってみたら、住宅・販売事業者の提携ローンより有利な条件で利用できるローンがあることが分かって、そちらを利用したといった人も少なくない。

なぜ、提携ローンが必ずしもベストと言えないのか。それは提携ローンが、画一的に金利引下げ幅が決まっているのに対し、金融機関に直接申し込めば、個別に条件を審査してより低い金利を提示してくれるケースもあるからだ。

特に、大企業に勤務していて、近くに会社のメインバンクの支店がある人、また自営業で取引実績が豊富な信用金庫などがあれば、そこで相談すればより有利な条件を提示してくれる可能性がある。

最近では少なくなってきたが、マンションのモデルルームや住宅展示場では、公務員向けに一般の会社員より金利を0.1%低くしたチラシを用意しているケースもあるほどだ。

また、大手の信用金庫のなかには定期預金の額、給与振込の実績などに応じてポイントを設定、最大0.4%金利を引き下げる制度を行っているところもある。そうしたケースにあてはまれば、提携ローンより低い金利で利用できるかもしれない。

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